3. 「補助学習費」の中身を見ると、公立は「学習塾費」の負担が際立つ

補助学習費の内訳をさらに細かく見ていくと、公立中学校で特に金額が大きい項目が浮かび上がります。

公立は「学習塾費」の負担が特に大きい3/4

公立は「学習塾費」の負担が特に大きい

出所:文部科学省「令和5年度子供の学習費調査」をもとにLIMO編集部作成

3.1 学習塾費は公立が私立より6万2327円多い

補助学習費の内訳のうち、学習塾に通うための費用である「学習塾費」は、公立中学校が23万385円、私立中学校が16万8058円でした。

公立中学校の学習塾費は私立中学校より6万2327円多く、補助学習費の差の大部分をこの項目が占めています。

一方、通信教育・家庭教師費と家庭内学習費は、いずれも私立中学校の方が公立を上回っており、学習塾費とは逆の傾向が見られます。

3.2 公立と私立で学習費の使われ方が異なる背景

私立中学校では、入学時から独自のカリキュラムや学習指導が学校教育の中に組み込まれているケースが多く、学校の中で学力形成が進む面があります。

一方、公立中学校では学校教育費の負担が比較的軽い分、学校の授業だけでは不安な部分を学習塾などで補おうとする家庭が多い可能性があります。

こうした違いが、学校外活動費における「補助学習費」の比率の差にも表れていると考えられます。

和田 直子
中学受験というと、「私立は学費が高い」というイメージばかりが先行しがちですが、今回のデータを見ると、公立中学校に進学した場合も学習塾などの「補助学習費」が想像以上にかかっている実態が分かります。

私立は学校の中で学習指導が完結しやすい分、学校外での上乗せが比較的抑えられている一方、公立は学校教育費が軽い分だけ、家庭が塾などで学力を補う費用を負担している側面があるといえそうです。

「公立に進学すれば学費が安く済む」と単純に考えるのではなく、学習塾などにかかる費用も含めて、進学先ごとの家計への影響をトータルで見積もっておくと安心です。

4. まとめ

公立・私立中学校の学習費、内訳を一覧で比較4/4

公立・私立中学校の学習費、内訳を一覧で比較

出所:文部科学省「令和5年度子供の学習費調査」をもとにLIMO編集部作成

文部科学省「令和5年度子供の学習費調査」によると、私立中学校の学習費総額(156万359円)は、公立中学校(54万2450円)の約2.9倍でした。

学習費全体では私立の負担が大きい一方、学校外活動費の中の「補助学習費」に限ると、公立中学校(27万1574円)の方が私立中学校(23万6986円)より多いという結果になっています。

特に学習塾費は公立が23万385円で、私立の16万8058円を6万2327円上回っており、公立中学校に進学した場合も学習塾などの費用を見込んでおく必要があります。

中学受験や進学先を検討する際は、学校に納める費用だけでなく、学校外でどれだけの学習費用がかかりそうかも含めて、家計全体で見通しておくことが大切です。

参考資料

和田 直子