「高等学校等就学支援金」の所得制限が撤廃され、より多くの生徒が支援を受けられるようになった――。政府広報オンラインは2026年9月2日の特集で、令和8年度から新しくなった高校生等の修学支援を紹介しました。
授業料の負担が軽くなっても、教科書や制服、通学定期、修学旅行の積立など、高校生活には授業料以外の出費も続きます。
こうした授業料以外の教育費を支えるのが、返済不要の「高校生等奨学給付金」です。令和8年度からは、対象が年収490万円未満の世帯まで広がりました。この記事では、奨学給付金の対象世帯と、国公立・私立別の給付額を整理します。
1. 令和8年度から高校生等の修学支援はどう変わった?
政府広報オンラインでは、令和8年度の高校生等の修学支援について、3つの拡充ポイントを挙げています。
図のように、授業料を支える「就学支援金」と、授業料以外を支える「奨学給付金」の両方が拡充されました。ここでは3つのポイントを順に確認します。
1.1 高等学校等就学支援金の所得制限が撤廃された
高校生等の授業料を支援する「高等学校等就学支援金」は、所得制限が撤廃されました。世帯年収にかかわらず、返済不要で授業料の支援を受けられます。
支給限度額(年額)は、国立の全日制で11万5200円、公立の全日制で11万8800円です。いずれも授業料の範囲内での支給となります。
1.2 私立全日制の支給限度額は年45万7200円に
私立高校に通う生徒への支給限度額も、世帯年収にかかわらず拡充されました。私立の全日制は年45万7200円、通信制は年33万7200円が上限です。
1.3 高校生等奨学給付金の対象が年収490万円未満の世帯まで広がった
3つ目のポイントが、授業料以外の教育費を支える「高校生等奨学給付金」の拡充です。これまでの生活保護受給世帯、住民税非課税世帯に加え、年収490万円未満の世帯まで対象が広がりました。
2. 「高校生等奨学給付金」とは?授業料以外の教育費を支える返済不要の給付金
ここからは、令和8年度に対象が広がった高校生等奨学給付金について、仕組みと対象世帯を確認していきます。
2.1 教科書費や教材費など授業料以外の費用が対象
高校生等奨学給付金は、教科書費、教材費、学用品費、通学用品費など、授業料以外の教育費を支援する返済不要の給付金です。
国の制度をもとに都道府県が実施しているため、申請時期や提出書類などの細かな運用は都道府県ごとに異なります。
2.2 対象世帯は4つの区分に分かれる
令和8年度の対象世帯は、次の4つの区分です。年収の区分は目安で、実際には保護者等(親権者)全員の住民税(道府県民税・市町村民税)所得割額の合算で判定されます。
- 生活保護(生業扶助)受給世帯
- 住民税所得割が非課税の世帯
- 年収270万〜380万円未満程度の世帯(所得割額の合算が10万5500円未満)
- 年収380万〜490万円未満程度の世帯(所得割額の合算が10万5500円以上18万2500円未満)
このうち下の2区分が、令和8年度から新たに対象となった世帯です。在学中に家計が急変し、対象となる世帯に相当するようになった場合も支援を受けられます。
なお、生徒の国籍や在留資格によって、対象となる世帯の範囲が異なります。
3. 高校生等奨学給付金は「いくら」?世帯区分別の給付額
給付額は、世帯区分と、国公立・私立の別、全日制等・通信制の別によって決まります。ここでは国の基準にもとづく令和8年度の年額を確認します。
図を見ると、住民税非課税世帯の給付額が大きく、新たに対象となった年収270万〜490万円未満程度の世帯は3万〜5万円台であることが分かります。
3.1 国公立高校等の給付額(全日制等)
国公立の高校等に通う場合、全日制等の給付額(年額)は次のとおりです。
- 生活保護(生業扶助)受給世帯:3万2300円
- 住民税所得割が非課税の世帯:14万3700円
- 年収270万〜380万円未満程度の世帯:4万7900円
- 年収380万〜490万円未満程度の世帯:3万5930円
3.2 私立高校等の給付額(全日制等)
私立の高校等に通う場合、全日制等の給付額(年額)は次のとおりです。国公立よりも各区分で少し高く設定されています。
- 生活保護(生業扶助)受給世帯:5万2600円
- 住民税所得割が非課税の世帯:15万2000円
- 年収270万〜380万円未満程度の世帯:5万670円
- 年収380万〜490万円未満程度の世帯:3万8000円
3.3 通信制の給付額
通信制の場合、生活保護(生業扶助)受給世帯は国公立3万2300円・私立5万2600円で、全日制等と同額です。
そのほかの区分は国公立・私立の順に、非課税世帯が5万500円・5万2100円、年収270万〜380万円未満程度の世帯が1万6830円・1万7370円、年収380万〜490万円未満程度の世帯が1万2630円・1万3030円です。
「高校無償化」という言葉から、授業料以外の給付金まで自動で受け取れるように感じる方もいらっしゃるかもしれません。まずはご家庭の住民税の課税証明書などで所得割額を確かめ、4つの区分のどこに当てはまるのかを確認しておきたいです。
