厚生労働省が2026年9月8日に公表した毎月勤労統計調査の2026年7月分結果速報で、物価の影響を除いた実質賃金が前年同月比2.4%の増加となりました。2026年1月から7カ月続けてのプラスです。

2025年は通年で実質1.3%の減少でしたので、年が変わってから流れが変わった形になります。とはいえ、これは全国の平均です。自分の給与が同じように増えているかどうかは、手元の数字で確かめないと分かりません。

自分の位置をつかむ手がかりのひとつが、役職別の給与水準です。令和7年賃金構造基本統計調査によると、部長級の所定内給与額は月63万5800円でした。前年からの伸びは役職によって差があり、金額がいちばん大きい部長級の伸びが、この4つの中ではいちばん小さくなっています。

ここでは、7月の実質賃金と給与の中身、そして役職別の給与水準と前年からの伸びを確認していきます。

1. 【2026年9月8日公表】7月の実質賃金は2.4%増で7カ月続けてプラス

額面が増えても物価が上がっていれば、実際に買えるものは増えません。その差を見るのが実質賃金です。

厚生労働省は2026年9月8日、毎月勤労統計調査の2026年7月分結果速報を公表しました。

1.1 名目は4.7%増、実質は2.4%増

事業所規模5人以上の就業形態計で、7月の現金給与総額は前年同月比4.7%の増加でした。物価の影響を除いた実質賃金は2.4%の増加です。

一般労働者で見ると名目4.7%増、実質2.3%増でした。パートタイム労働者は名目4.7%増、実質2.4%増です。

1.2 2026年1月から7カ月続けてプラス

実質賃金は2026年1月に0.7%増となってから、2月2.0%増、3月1.4%増、4月2.0%増、5月1.6%増、6月2.2%増、7月2.4%増と、7カ月続けてプラスになっています。

2025年は通年で名目2.3%増に対し実質1.3%減でした。2025年12月も実質は0.1%減です。年が変わって流れが変わったことになります。

2026年に入って実質賃金は7カ月続けてプラスになっています1/2

毎月勤労統計調査による現金給与総額の名目賃金と実質賃金の前年同月比の推移

出所:厚生労働省「毎月勤労統計調査 2026年7月分結果速報」を参考にLIMO編集部作成

2. 役職別の給与はいくらか

毎月の統計は全体の動きをとらえるものです。自分の位置を知るには、役職別の水準とあわせて見ると分かりやすくなります。

2.1 部長級は月63万5800円

厚生労働省の令和7年賃金構造基本統計調査によると、一般労働者のうち雇用期間の定めのない方について、男女計の所定内給与額は部長級が月63万5800円でした。

課長級は月52万9200円、係長級は月39万9200円、役職に就いていない非役職者は月31万500円です。

2.2 非役職者を100とすると部長級は204.8

非役職者を100としたときの水準は、部長級が204.8、課長級が170.4、係長級が128.6でした。

前年からの動きは、部長級が1.4%増、課長級と係長級がいずれも3.4%増、非役職者が2.5%増です。部長級の伸びがいちばん小さくなっています。

部長級の所定内給与額は月63万5800円で、非役職者を100とすると204.8になります2/2

令和7年賃金構造基本統計調査による役職別の所定内給与額と非役職者を100とした指数、対前年増減率

出所:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査 結果の概況」を参考にLIMO編集部作成

3. 7月の給与の中身はどうなっていたか

実質賃金の話のもとになっている、7月の給与額そのものも見ておきます。

3.1 一般労働者の現金給与総額は57万8123円

事業所規模5人以上の一般労働者について、7月の現金給与総額は57万8123円でした。

内訳は、きまって支給する給与が38万5178円、賞与などの特別に支払われた給与が19万2945円です。7月は夏の賞与が支給される月にあたるため、特別に支払われた給与が全体の3分の1ほどを占めています。

3.2 所定内給与は35万6413円だった

きまって支給する給与のうち、残業代を含まない所定内給与は35万6413円、残業代などの所定外給与は2万8765円でした。

前年同月比を見ると、きまって支給する給与が4.0%増、所定内給与が3.9%増だったのに対し、特別に支払われた給与は6.3%増です。毎月の給与より賞与のほうが伸びが大きかったことになります。

安達さやか
安達 さやか
実質賃金の計算に使う物価の指標について、ひとつ補足します。毎月勤労統計調査の実質賃金は、名目の賃金指数を消費者物価指数の「持家の帰属家賃を除く総合」で割って算出されています。報道でよく目にする「総合」や「生鮮食品を除く総合」とは別の系列です。同じ月でも、どの指数を使うかで前年同月比の数字は変わります。自分の給与の伸びと比べるときは、この違いが効いてくる場面があります。