年金を主な収入源として生活する世帯では、毎月の生活費に不安を感じる人もいるでしょう。所得が一定基準以下の年金受給者には、年金に上乗せして「年金生活者支援給付金」が支給されます。

2026年度は給付基準額が引き上げられ、老齢年金とあわせて支給される「老齢年金生活者支援給付金」は月額5620円を基準に支給額が決まります。次回の支給日となる10月15日には、いくら振り込まれるのでしょうか。

この記事では、夫婦ともに年金生活者支援給付金を受け取っている場合の金額をシミュレーションします。あわせて、年金と給付金だけで老後の生活費をまかなえるのかも確認していきます。

1. 10月15日振込の年金生活者支援給付金とは

年金生活者支援給付金は、年金に上乗せして支給される給付金です。対象となるのは、以下に該当する人です。

老齢(補足的老齢)年金生活者支援給付金

  • 以下を満たす場合に対象となる。
    •  65歳以上の老齢基礎年金の受給者である。
    •  世帯全員が市町村民税非課税である。
    •  前年の公的年金等の収入金額(※1)とその他の所得との合計額が昭和31年4月2日以後生まれの人は80万9000円以下、昭和31年4月1日以前生まれの人は80万6700円以下(※2)である。

障害年金生活者支援給付金

  • 以下を満たす場合に対象となる。
    •  障害基礎年金の受給者である。
    •  前年の所得(※1)が「479万4000円+扶養親族の数×38万円(※3)」以下である。

遺族年金生活者支援給付金

  • 以下を満たす場合に対象となる。
    •  遺族基礎年金の受給者である。
    •  前年の所得(※1)が「479万4000円+扶養親族の数×38万円(※3)」以下である。

※1障害年金・遺族年金などの非課税収入を除く。
※2昭和31年4月2日以後生まれで80万9000円を超え90万9000円以下の人や昭和31年4月1日以前生まれで80万6700円を超え90万6700円以下の人には「補足的老齢年金生活者支援給付金」が支給される。
※3同一生計配偶者のうち70歳以上の人または老人扶養親族の場合は48万円、特定扶養親族または16歳以上19歳未満の扶養親族の場合は63万円となる。

老齢基礎年金の受給者だけでなく、障害基礎年金や遺族基礎年金の受給者にも、それぞれ給付金が用意されています。

給付金は年金と同様、年6回、偶数月の15日に振り込まれます。各支払月には前月までの2カ月分が支給されるため、2026年10月15日の支給対象は「8月分・9月分」です。年金と同じ口座に振り込まれますが、年金とは別に支払われます。

なお、日本年金機構は2026年9月1日から、新たに年金生活者支援給付金を受け取れる人へ「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)」を順次送付しています。薄緑色の封筒が届いた人は、請求手続きが必要です。

ただし、今回10月15日に振り込まれるのは8・9月分であり、9月に申請した人の給付金は振り込まれません。9月に申請した人の給付金は、最短で12月の年金支給で振り込まれます。

この請求書が対象としているのは10月分からの給付で、所得基準は上の要件とは別の数字になります。厚生労働省によると、10月分から適用される基準は昭和31年4月2日以後生まれで82万6500円以下、同4月1日以前生まれで82万4100円以下です。障害・遺族は「491万8000円+扶養親族の数×38万円」以下となります。

上の要件欄にある80万9000円などは、10月15日に振り込まれる8月分・9月分までの基準です。請求書が届いた人が自分の該当を確かめるときは、10月分からの基準で見てください。

次章では、基準額どおりの金額を受け取れるのがどのような世帯なのか確かめていきます。

2. 夫婦の給付金の合計が「2万2480円」になるのはどんな世帯?

もし夫婦がそれぞれ、月額5620円の老齢年金生活者支援給付金を受け取るとすると、1回の支給でひとりあたり1万1240円、合計2万2480円給付金を受け取れます。

夫婦の給付金の合計が2万2480円になるのは、国民年金保険料を適切に納めたうえで、老齢年金生活者支援給付金の要件に合致する世帯です。

前述のとおり、老齢年金生活者支援給付金を受け取るには、原則として次の条件を満たす必要があります。加えて、給付金は保険料の納付期間や免除期間に応じて支給額が決まります。

老齢年金生活者支援給付金の支給額2/3

老齢年金生活者支援給付金の支給額

出所:日本年金機構「老齢(補足的老齢)年金生活者支援給付金の概要」をもとに筆者作成

  • 保険料納付済期間にもとづく額(月額) = 5620円 × 保険料納付済期間 / 被保険者月数480月
  • 保険料免除期間にもとづく額(月額)
  • = 1万1768円 × 保険料免除期間/ 被保険者月数480月
  • ※補足的老齢年金生活者支援給付金は5620円 × 保険料納付済期間 / 被保険者月数480月×調整支給率

保険料が納付されていない月は給付金の算定対象にならないため、支給額にも影響します。

なお、保険料が免除されていた期間がある場合は、基準額が1万1768円となるため、給付額が2万2480円を上回る可能性もあります。

年金保険料の納付状況は、ねんきん定期便やねんきんネットなどで確かめられるので、給付金の要件に該当するかどうかとあわせてチェックしてみましょう。

次章では、より詳細なシミュレーションで受給額を確認していきます。

3. 【シミュレーション】夫婦2人なら給付金は年間いくら?

夫婦それぞれが月額5620円を1年間受け取ると仮定して、年間の給付額を計算してみましょう。

夫婦2人の1カ月分は「5620円×2人=1万1240円」です。もし1年間同じ金額を受給した場合「1万1240円×12カ月=13万4880円」となります。

2カ月に1回の振込額で見ると2万2480円ですが、年間では13万円を超える計算です。所得の少ない世帯にとっては、貴重な給付といえるでしょう。

ただし、前述のように免除期間や納付していない期間があれば、その分だけ金額は変動します。もし夫婦どちらかの保険料納付済の月が240月しかない場合、給付額は1人が月額5620円、もうひとりが月額2810円となります。

世帯によっては、年間13万円を下回る可能性も考えられるでしょう。

次章では、給付金と年金だけで家計を支えられるのか、解説します。