4. 【FP視点】給付金+年金だけでは赤字が続く場合も
夫婦で年間13万4880円の給付金を受け取れると、老後の家計にとっても一定の支えになるでしょう。しかし、給付金を受け取れたとしても、毎月の生活費を年金などの収入だけでまかなえるとは限りません。
総務省の「家計調査」によれば、2025年の65歳以上の夫婦のみの無職世帯では、月の可処分所得が平均22万1544円だったのに対し、消費支出は26万3979円でした。
- 実収入:25万4395円
- 非消費支出:3万2850円
- 可処分所得:22万1544円
- 消費支出:26万3979円
- 差額分(可処分所得-消費支出):▲4万2435円
つまり、平均で約4万円の赤字が出ているのです。
なお、この実収入25万4395円のうち22万8614円、割合にして89.9%が社会保障給付です。年金と給付金が家計の柱になっている一方で、それだけでは毎月4万円あまりが足りていない計算になります。
実際の生活費は世帯によって異なるため一概にはいえませんが、年金と給付金だけでゆとりある暮らしをするのは、難しい状況となっています。
老後の家計を考える際には、「給付金をいくら受け取れるか」に加えて、年金から税金や社会保険料を差し引いた手取り額や毎月の生活費、預貯金などの資産額をあわせて確認するのがポイントです。
不足額によっては、資産をどれくらいのペースで取り崩していくかも考えてみるとよいでしょう。
5. まとめ
年金生活者支援給付金は、所得が一定基準以下の年金受給者を対象に、年金に上乗せして支給される制度です。
2026年度の老齢年金生活者支援給付金は月額5620円を基準に支給額が計算されます。夫婦それぞれの支給額が5620円の場合、10月15日に振り込まれる8・9月分は、夫婦合計で2万2480円です。
同じ金額を1年間受給すると仮定すれば、年間では13万4880円となります。
一方、給付金の実額は保険料納付済期間や所得などによって異なります。所得基準は10月分から引き上げられ、老齢は昭和31年4月2日以後生まれで82万6500円以下、同4月1日以前生まれで82万4100円以下になります。
給付金は老後生活を支える一つの制度ですが、家計全体を見る際には年金の手取り額や生活費、預貯金もあわせて確認しておきましょう。
参考資料
- 日本年金機構「老齢(補足的老齢)年金生活者支援給付金の概要」
- 日本年金機構「障害年金生活者支援給付金の概要」
- 日本年金機構「遺族年金生活者支援給付金の概要」
- 総務省「家計調査報告 〔 家計収支編 〕 2025年(令和7年)平均結果の概要」
- 厚生労働省「年金生活者支援給付金制度について」
石上 ユウキ