金融庁は2026年9月16日、NISA(少額投資非課税制度)の特設ウェブサイトに掲載している「つみたて投資枠対象商品」の届出一覧を更新しました。この最新の発表によると、現在つみたて投資枠の対象になっている商品は370本となっています。
その内訳をみると、指定インデックス投資信託(あらかじめ決められた指数に連動する商品)が287本、指定インデックス投資信託以外の投資信託(プロが独自に銘柄を選ぶアクティブ運用投資信託など)が72本、上場株式投資信託(ETF)が11本です。
私はこれまでファイナンシャルプランナーとして、多くの方から家計や資産形成の相談を受けてきましたが「NISAを始めたいけれど、商品が多すぎてどれを選べばいいか分からない」という声は本当によくお聞きします。特に投資を始めたばかりの頃は、専門用語や数字の多さに戸惑ってしまうものです。
この記事では、370本の商品がどのように分類されているのか、そしてコスト(手数料)の水準がどうなっているのかをわかりやすく解説します。そのうえで、実際に商品を選ぶときに気をつけておきたい実用的なポイントを5つ紹介します。
1. 【NISA】つみたて投資枠の対象商品は「370本」
まず、NISAのつみたて投資枠の対象商品がどういう区分に分かれているのかを確認していきましょう。つみたて投資枠で私たちが買えるのは、法令で定められた厳しい要件を満たし、金融庁に届出がされた商品だけです。つまり、長期的な資産形成に向いていると国が認めた商品が厳選されている状態です。
1.1 指定インデックス投資信託が「287本」で大半を占める
370本のうち最も多いのは指定インデックス投資信託で287本でした。全体のおよそ8割にあたります。
指定インデックス投資信託とは、内閣府告示で定められた指数に連動する運用を行う投資信託のことです。TOPIXやMSCI World Indexなど、あらかじめ指定された指数に連動する商品が該当します。
1.2 指定インデックス投資信託以外の投資信託は「72本」、ETFは「11本」
指定インデックス投資信託以外の投資信託(主にプロが市場平均以上の利益を目指して銘柄を選ぶアクティブ運用投資信託など)は72本でした。投資対象となる資産の区分で分けると、株式のみに投資するものが49本、株式と公社債(国や企業が発行する債券)に投資するものが14本、株式・公社債・REIT(不動産投資信託)に投資するものが9本となっています。
また、上場株式投資信託(株式と同じように証券取引所でリアルタイムに売買できる投資信託、通称ETF)は11本と最も少なくなっています。つみたて投資枠の対象になるETFは要件が非常に厳しいため、本数が限られているのが現状です。
1.3 指定インデックス投資信託287本の中身はバランス型が142本
287本の指定インデックス投資信託は、さらに2つに分かれます。ひとつの指数に連動する単一指数(株式型)が145本、複数の指数を組み合わせた複数指数(バランス型)が142本です。
ほぼ半々の本数で、株式だけに投資する商品と、株式と債券などを組み合わせた商品が並んでいることになります。
【つみたて投資枠の対象商品の内訳(2026年9月16日時点)】
- 指定インデックス投資信託:287本
- うち単一指数(株式型):145本
- うち複数指数(バランス型):142本
- 指定インデックス投資信託以外の投資信託:72本
- 上場株式投資信託(ETF):11本
- 合計:370本
2. 【NISA】投資先は国内か海外か?コストの水準にも注目
同じ届出一覧では、投資先が国内か海外かの区分もわかります。ここでは区分ごとの偏りと、コストの水準を見ていきます。
2.1 バランス型は142本のうち138本が海外型
複数指数(バランス型)142本の内訳は、国内型が4本、海外型が138本でした。バランス型のほとんどは、投資先に海外を含む商品です。
一方、単一指数(株式型)145本は国内型79本、海外型66本と、国内型のほうがやや多くなっています。指定インデックス投資信託以外の投資信託72本は、国内型13本、海外型59本でした。
本数の並びを見ると、株式だけに投資する商品では国内に連動するものが選びやすく、複数の資産を組み合わせた商品では海外を含むものが中心になっています。
2.2 信託報酬率には法令上の上限がある
つみたて投資枠の対象になるには、信託報酬が一定の水準以下であることが要件になっています。
指定インデックス投資信託の場合、投資先が国内のものは法令上の上限が0.5%(税抜き)、投資先が内外・海外のものは0.75%(税抜き)です。
実際の平均は、投資先が国内のもので0.27%、投資先が内外・海外のもので0.34%でした。上限より低い水準に集まっていることになります。