中学受験を考える保護者にとって、公立中学校と私立中学校でどれくらい学習費が違うのかは気になるテーマです。
文部科学省が公表した「令和5年度子供の学習費調査」では、学校教育費や学校外活動費など、学習費の内訳が詳しく示されています。
総額の差だけでなく内訳を見ていくと、公立中学校の方が「補助学習費」、つまり学習塾や家庭学習にかける費用が私立中学校より多いという結果が出ています。
私立は学校教育費そのものが大きい一方、公立は学校外で学力を補う費用がかさむという、対照的な構図が浮かび上がります。
1. 私立中学校の学習費は公立の約2.9倍
まず、公立と私立で学習費全体にどれくらいの差があるのか、内訳とあわせて見ていきます。
1.1 学習費総額は公立54万2450円、私立156万359円
文部科学省「令和5年度子供の学習費調査」によると、公立中学校に通う子供1人あたりの学習費総額は、年間54万2450円でした。
一方、私立中学校では156万359円となっており、公立の約2.9倍にあたります。
学習費には、学校に納める「学校教育費」、給食にかかる「学校給食費」、塾や習い事など学校外での活動にかかる「学校外活動費」の3つが含まれます。
1.2 差の主な要因は「学校教育費」の大きさ
公立中学校の学校教育費は15万761円で、学習費総額に占める割合は27.8%です。
私立中学校の学校教育費は112万8061円で、学習費総額の72.3%を占めています。
私立中学校では授業料だけで45万8018円かかっており、これが公立との差を大きく広げる主な要因になっています。
このほか、私立中学校では入学金等に11万9829円、学校納付金等に17万2268円がかかる一方、公立中学校では授業料や入学金等にあたる負担がほとんどありません。
また、学校給食費は公立が3万5671円であるのに対し、私立は9317円にとどまり、給食を実施している公立中学校の方が高くなっています。
私立中学校の学習費は公立の約2.9倍1/4
出所:文部科学省「令和5年度子供の学習費調査」をもとにLIMO編集部作成
学習費総額と、学校教育費・学校給食費・学校外活動費それぞれの内訳は、上記の画像の通りです。
2. 学校外活動費の内訳を見ると、公立と私立で構成が大きく異なる
学習費のうち学校外活動費について、さらに詳しく内訳を見ていくと、公立と私立で中身の構成に違いがあることが分かります。
2.1 学校外活動費の総額は私立の方が多い
学校外活動費の総額そのものは、公立中学校が35万6018円、私立中学校が42万2981円で、私立の方が6万6963円多くなっています。
しかし、その内訳を「補助学習費」と「その他の学校外活動費」に分けてみると、公立と私立で比率が逆転する項目があります。
「補助学習費」は公立中学校の方が多い2/4
出所:文部科学省「令和5年度子供の学習費調査」をもとにLIMO編集部作成
2.2 「補助学習費」は公立中学校の方が私立より多い
学校外活動費のうち、学習塾や家庭教師、通信教育など学力を補うための費用である「補助学習費」は、公立中学校が27万1574円、私立中学校が23万6986円でした。
公立中学校の補助学習費は学校外活動費全体の76.3%を占めており、私立中学校の56.0%を大きく上回っています。
金額そのものも公立の方が私立より3万4588円多く、私立中学の学費の高さにばかり目が向きがちな中で見落とされやすいポイントといえます。
一方、部活動や習い事、スポーツ・芸術活動などにあたる「その他の学校外活動費」は、私立中学校が18万5995円と、公立中学校の8万4444円を大きく上回っています。