2. 見落とさないための3つの注意点

2.1 1.「死亡届」と「未支給年金の請求」は別の手続き

マイナンバーが登録されていれば、年金受給権者の死亡届自体は原則不要になります。ただし、それは死亡の届出が省略できるという話であって、未支給年金や遺族年金などの請求は別途行う必要があります。

2.2 2.給付ごとに期限と起算日が違う

未支給年金・遺族年金・寡婦年金は原則5年ですが、死亡一時金は死亡日の翌日から2年と特に短くなっています。葬祭費・埋葬料も2年ですが、葬祭費は葬儀を行った日の翌日、埋葬料は死亡した日の翌日が起算日です。

2.3 3.過払い金の返還が生じることがある

手続きが遅れて、亡くなった月の翌月以降の年金が口座に入金された場合、その分は後日返還する必要があります。年金を受け取る口座を早めに把握し、必要な届出を速やかに行うことが、余計な手間を避けることにつながります。

3. まとめにかえて

今回は、年金受給者が亡くなったときに遺族が受け取れる5つのお金を確認してきました。

未支給年金は、年金が後払いであることから必ず発生します。遺族年金は加入状況によって遺族基礎年金と遺族厚生年金に分かれます。死亡一時金と寡婦年金は、国民年金第1号被保険者だった期間があることが条件で、どちらか一方を選ぶ選択制です。

葬祭費・埋葬料は年金ではなく健康保険制度からの給付で、請求先も年金事務所ではありません。健康保険なら埋葬料として一律5万円、国民健康保険や後期高齢者医療なら市区町村へ葬祭費を申請します。

請求期限は、未支給年金・遺族年金・寡婦年金が5年、死亡一時金と葬祭費・埋葬料が2年。しかも起算日が給付ごとに異なります。

奥田 朝
手続きの抜けを防ぐには、期限の短いものから順に確認するのが確実です。まず死亡一時金と葬祭費・埋葬料の2年。次に未支給年金と遺族年金の5年、という順番です。あわせて、年金を受け取っていた口座を早めに把握しておいてください。手続きが遅れて亡くなった月の翌月以降の年金が入金されると、後日返還することになります。ご家族に万一のことがある前に、必ず口座と加入していた健康保険を確認しておくことが大切です。焦らずに対処でき、トラブルの防止にもつながります。

葬祭費の金額や要件は自治体によって異なります。実際の申請にあたっては、お住まいの市区町村や加入していた健康保険の案内を確認してください。

まずはご家族が加入している年金と健康保険の種類を確かめるところから始めてみてはいかがでしょうか。

参考資料

奥田 朝