遺族年金を請求しようと書類をそろえたところで、どこへ持っていけばよいのか迷う方は少なくありません。年金の窓口といえば年金事務所を思い浮かべますが、遺族年金の請求書はそれだけではありません。
日本年金機構が2025年12月2日に更新した請求手続きのページを見ると、提出先は請求する年金の種類によって2つに分かれています。
この記事では、どちらの窓口へ出すのかという分岐を確かめたうえで、請求書の様式の違いと、受け取れる額の目安まで整理します。
1. 遺族年金の請求書は提出先が2つに分かれる
はじめに、提出先の原則を確認します。
日本年金機構は、遺族基礎年金と遺族厚生年金で提出先を別々に案内しています。
1.1 遺族基礎年金だけなら住所地の市区町村役場の窓口
遺族基礎年金を請求するときの提出先は、住所地の市区町村役場の窓口です。亡くなった方が国民年金の第1号被保険者だった場合などが、これに当たります。
請求書は市区町村役場のほか、年金事務所や街角の年金相談センターの窓口にも備え付けてあります。書類を受け取る場所と提出する場所は同じでなくてかまいません。
1.2 遺族厚生年金は年金事務所または街角の年金相談センター
遺族厚生年金を請求するときの提出先は、近くの年金事務所または街角の年金相談センターです。
会社員や公務員だった配偶者が亡くなった場合、遺族厚生年金と遺族基礎年金の両方を受け取れることがあります。その場合は年金事務所などの窓口が請求先になります。
2. 請求書の様式も遺族基礎年金と遺族厚生年金で別になっている
提出先だけでなく、使う用紙も分かれています。
どちらの様式を使うのかは、請求する年金で決まります。
2.1 遺族基礎年金は様式第108号、遺族厚生年金は様式第105号
遺族基礎年金の年金請求書は「年金請求書(国民年金遺族基礎年金)様式第108号」です。遺族厚生年金の年金請求書は「年金請求書(国民年金・厚生年金保険遺族給付)様式第105号」となっています。
名前が似ているため、窓口で用紙を受け取るときにどちらを請求するのかを伝えておくと確実です。
2.2 子が3人以上いるときは別紙様式を添える
遺族年金の受給権者となる子が3人以上いる場合は、3人目以降を「加給年金額または子の加算額に係る別紙様式」に記入し、年金請求書とあわせて提出します。
これはどちらの様式を使う場合にも共通の扱いです。なお添付書類の一部は、マイナンバーを記入することで省略できます。
3. 遺族年金として受け取れる額はいくらになるか
窓口が分かったところで、受け取れる額の目安も見ておきます。
ここでは、どちらの年金がいくらになるのかを分けて確かめます。
3.1 遺族厚生年金は報酬比例部分の4分の3
遺族厚生年金は、亡くなった方の老齢厚生年金の報酬比例部分の4分の3です。加入期間のすべてが平成15年4月以降で平均標準報酬額が35万円、480月加入という前提なら、年69万606円が目安になります。
被保険者期間が300月に満たない場合は300月とみなして計算しますが、これは老齢厚生年金の受給資格を満たした方が亡くなったときには使えません。
3.2 遺族基礎年金は基本額に子の加算額を足す
令和8年4月分からの遺族基礎年金の基本額は、昭和31年4月2日以後生まれの方で年84万7300円です。昭和31年4月1日以前生まれの方は年84万4900円になります。
子の加算額は1人目および2人目が各24万3800円、3人目以降が各8万1300円です。
どちらの窓口に出すのかは、亡くなった方が加入していた制度で決まります。出向く前に電話を1本入れて確かめておくと、書類を持ち直す手間を省けます。
