3. 家族の「見守り」と「気づき」がカギ!実家で確認したい3つの危険サイン

親がトラブルに巻き込まれているかどうかは、離れて暮らしていると本人が言い出さない限りなかなか気づきにくいものです。ここでは、国民生活センターが2025年9月18日に発行した「見守り新鮮情報 第521号」の内容をもとに、帰省時や訪問時に家族が気にかけたい3つのサインをご紹介します。

3.1 サイン1:居室や外観の不自然な変化はないか

実家を訪れた際、まずは家全体の様子を観察しましょう。見守り新鮮情報では、居室が不自然に散らかっていないか、不審な健康食品や魚介類などがないかを確認するよう促しています。また、新品の布団など同じような商品が大量に置かれていないかどうかも重要なチェックポイントです。

屋外においても、屋根や外壁などに不審な工事の形跡がみられないか、あるいは不審な業者が入り浸っている形跡はないか、注意深く見回すことが大切です。

3.2 サイン2:お金や契約に関する不審な記録はないか

次に、契約書類やお金の動きに注目します。机の上などに、不審な契約書や請求書、宅配業者からの不在通知などがないかを確認しましょう。また、複数社から配達された新聞や景品類がないかどうかも、強引な勧誘を受けている可能性を示すサインとなります。

さらに、預金通帳などに不審な出金の記録はないか、まとまったお金が引き出されていないかをさりげなく確認することも、被害の早期発見につながります。

3.3 サイン3:本人の言動や態度に不安な点はないか

もっとも大切なのは、親自身の様子です。不審な電話やメールのやり取りなどはないか、あるいは「お金に困っている様子はないか」といった日々の態度の変化に気を配りましょう。何を買ったか覚えていないなど判断能力に不安はないか、元気がないなど困った様子はないかといった心理的な変化も、トラブルを抱え込んでいるサインかもしれません。

これらのサインを確認する際、「騙されていないでしょうね?」と頭ごなしに聞くのは避けましょう。親は「子どもに心配をかけたくない」「自分はまだまだしっかりしている」というプライドから、被害を隠してしまうことがあります。「最近、ニュースで怪しい業者が回っていると聞いたけれど、この辺りは大丈夫?」など、世間話を交えながら親の気持ちに寄り添い、優しく声をかけることが解決への第一歩です。

4. 【家族ができる対策】もしものときの相談先「188」と地域の見守り

もし親が不審な契約をしてしまったり、不安な様子を見せたりした場合は、家族だけで抱え込まずに速やかに外部の専門機関に頼ることが重要です。消費生活センターへの相談は、契約したご本人だけでなく、家族やホームヘルパー、地域包括支援センターの職員など周囲の人からでも行うことができます。

少しでも気になることがあれば、全国共通の消費者ホットライン「188(いやや!)」へ電話をかけてみることも大切です。郵便番号などを入力すると、お住まいの地域の消費生活センターなどを案内してくれます。

訪問販売の場合、契約書を受け取ってから8日間以内であれば無条件で契約を解除できる制度(クーリング・オフ)が適用される可能性があります。解約に向けた具体的な交渉の進め方や書面の書き方など、専門の相談員が状況に応じた適切なアドバイスをしてくれます。

また、日頃から未然に防ぐための対策として、固定電話を常に留守番電話設定にしておくことや、迷惑電話防止機能付きの電話機をプレゼントするのも非常に有効な手段です。

さらに、将来的な資産管理に不安がある場合は、親の判断能力が十分なうちに「任意後見制度(将来、認知症などで判断能力が低下した際に備え、あらかじめ代理人を決めておく制度)」の活用や、家族信託(親の財産を信頼できる家族に託して管理してもらう仕組み)について話し合っておくことも、大切な老後資金を守るための安心につながります。

5. まとめにかえて

今回は最新の統計データをもとに、高齢者の年代別消費者トラブルの傾向と、家族が気づいてあげたい危険なサインについて解説しました。親の年齢やライフスタイルの変化に伴い、トラブルの入り口はネット通販から訪問販売や電話へと変わっていく実態をご理解いただけたかと思います。私たちはつい「親はいつまでも変わらない」と思いがちですが、加齢とともにリスクに対する判断力は変化していくものです。定期的な見守りと適切な対策が、親の平穏な老後を支えるカギとなります。

離れて暮らしていても、ふだんの何気ない会話の中で少し気にかけておくことが、親の心と大切なお金を守ることにつながります。お盆やお正月などの帰省のタイミングだけでなく、日常的なコミュニケーションを通じて家族の絆を深めながら、防犯意識を共有していけるといいですね。

参考資料