公務員の退職金は、定年まで勤めたときの額が話題になりがちです。「平均で2000万円を超えるらしい」と聞いたことがある方も多いでしょう。
その定年は段階的に引き上げられている途中で、令和7年4月1日から令和9年3月31日までは62歳です。今年度に62歳になる方は、2027年3月31日が定年退職日にあたります。
勤め続ける年数は以前より延びました。ただし、実際には定年より前に辞める人も少なくありません。
内閣官房内閣人事局の「退職手当の支給状況(令和6年度)」には、国家公務員の退職手当を年齢別に集計した表があります。50〜54歳で退職手当を受け取った常勤職員の平均は1290万7000円でした。
この記事では、国家公務員の退職金が退職したときの年齢と理由によってどう変わるのかを、同じ資料の数字で確かめていきます。
1. 国家公務員の退職金、令和6年度の平均は1094万3000円
はじめに、国家公務員の退職金の全体像を押さえておきます。対象は令和6年度に退職手当を受け取った職員です。
1.1 常勤職員は退職理由で平均額が大きく違う
令和6年度に退職手当を受け取った常勤職員は3万1193人で、平均支給額は1094万3000円でした。退職理由別の受給者数と平均支給額は次のとおりです。
- 定年:1万1073人、2160万1000円
- 応募認定:1859人、2470万3000円
- 自己都合:9951人、345万4000円
- その他:8310人、263万円
応募認定は、早期退職の募集に応じて認定を受けた退職です。「その他」には、任期制自衛官などの任期終了や死亡による退職が含まれると注記されています。
1.2 行政職俸給表(一)の適用者では平均1389万6000円
一般的な事務職にあたる行政職俸給表(一)の適用者に絞ると、受給者は8458人、平均支給額は1389万6000円でした。
定年は2148万8000円、応募認定は2277万円、自己都合は331万5000円、その他は210万円です。
2. 国家公務員の退職金を年齢別に見ると50〜54歳は平均1290万7000円
同じ資料には、退職したときの年齢で分けた表もあります。国家公務員の退職金が年齢によってどう積み上がるのかを見ていきましょう。
2.1 年齢区分は10に分かれ、最高は60歳以上の2105万9000円
常勤職員について、退職理由をすべて含めた年齢別の平均支給額を並べました。
年齢区分ごとの平均支給額と受給者数は、次のとおりです。
- 20歳未満:12万2000円(336人)
- 20〜24歳:98万7000円(6871人)
- 25〜29歳:96万5000円(3670人)
- 30〜34歳:146万6000円(1747人)
- 35〜39歳:284万4000円(1262人)
- 40〜44歳:465万8000円(896人)
- 45〜49歳:807万8000円(935人)
- 50〜54歳:1290万7000円(1500人)
- 55〜59歳:2093万8000円(4827人)
- 60歳以上:2105万9000円(9149人)
最も高いのは60歳以上の2105万9000円、最も低いのは20歳未満の12万2000円でした。
2.2 45〜49歳から55〜59歳までの10年で平均は2.6倍に
平均額の伸びが大きいのは40歳代後半から50歳代です。45〜49歳の807万8000円が、50〜54歳で1290万7000円、55〜59歳で2093万8000円になります。
45〜49歳と55〜59歳を比べると、およそ2.6倍です。55〜59歳と60歳以上の差は12万1000円にとどまっています。
2.3 20〜24歳が25〜29歳をわずかに上回っている
20〜24歳の98万7000円は、25〜29歳の96万5000円より2万2000円高くなっています。20〜24歳の受給者6871人のうち4312人は退職理由が「その他」で、この区分の平均は137万4000円でした。
「その他」には任期制自衛官などの任期終了による退職が含まれています。若い年齢の平均は、こうした退職理由の構成に左右されます。
3. 同じ年齢でも国家公務員の退職金は退職理由で変わる
年齢別の表は、退職理由ごとにも分かれています。同じ年齢で辞めても、理由によって平均額には開きがありました。
3.1 50〜54歳の自己都合退職は平均1351万6000円
自己都合で退職した人の平均を年齢別に見ると、40〜44歳が556万7000円、45〜49歳が939万5000円、50〜54歳が1351万6000円、55〜59歳が1591万1000円でした。
50〜54歳では、応募認定が2128万3000円、定年が1436万4000円です。応募認定と自己都合の差は776万7000円あります。
60歳以上の自己都合は113人で、平均は281万9000円でした。
3.2 退職時の平均年齢は定年59.4歳、自己都合32.8歳
同じ資料によると、常勤職員の退職時の平均年齢は定年が59.4歳、応募認定が56.7歳、自己都合が32.8歳、その他が31.0歳です。
平均勤続年数は定年が37年1月、応募認定が34年8月、自己都合が9年10月でした。自己都合の全体平均345万4000円には、勤続年数の短い若い年代の退職が多く含まれています。
保険料の窓口では、退職した年に「退職金が入ったから来年の保険料が上がるのでは」と心配する声をよく聞いてきました。退職金は住民税でも分けて課税されるため、国民健康保険料の所得割の計算には入りません。
