4. 国家公務員の定年、令和8年度は62歳で2027年3月31日が定年退職日になる

年齢別の数字を自分に当てはめるには、いつ定年を迎えるのかを知っておく必要があります。国家公務員の定年は段階的に引き上げられている途中です。

4.1 国家公務員法の附則が定年の引上げを定めている

国家公務員法第81条の6は、職員の定年を65歳と定めています。ただし附則第8条により、令和13年3月31日までは段階的な経過措置がとられています。

  • 令和5年4月1日から令和7年3月31日まで:61歳
  • 令和7年4月1日から令和9年3月31日まで:62歳
  • 令和9年4月1日から令和11年3月31日まで:63歳
  • 令和11年4月1日から令和13年3月31日まで:64歳

医師など一部の職員には別の定年が定められています。ここで挙げたのは原則の年齢です。

4.2 定年に達した日以後の最初の3月31日に退職する

第81条の6は、職員が定年に達したときは、定年に達した日以後の最初の3月31日か、任命権者があらかじめ指定する日のいずれか早い日に退職すると定めています。

令和8年度に62歳に達する職員なら、原則として2027年3月31日が定年退職日です。任命権者が別の日を指定している場合は、その日のほうが早ければその日に退職します。

5. 国家公務員の退職金は翌年度の国民健康保険料の所得割に入らない

退職金を受け取った翌年の保険料がどうなるのかは、退職を控えた方が気にする点です。私が保険料の計算を担当していた頃の経験もふまえて確認します。

5.1 退職所得は他の所得と分けて課税される

退職金にかかる退職所得は、住民税でも他の所得とは分けて課税されます。国民健康保険料の所得割は前年の総所得金額などをもとに計算するため、退職所得はこの計算に含まれません。

自治体で保険料の計算を担当していた頃、退職金の額を心配して窓口に来た方に、この点を説明する場面がよくありました。ただし、退職した年の給与は翌年度の保険料の計算に入ります。

5.2 退職した後の健康保険には共済組合の任意継続という選択肢もある

国家公務員共済組合法第126条の5は、退職の日の前日まで引き続き1年以上組合員だった人が、退職の日から起算して20日を経過する日までに申し出ると、引き続き短期給付を受けられると定めています。これが任意継続組合員です。

任意継続組合員の資格は、任意継続組合員となった日から起算して2年を経過したときに失います。任意継続のほか、国民健康保険に加入する、家族の健康保険の被扶養者になるといった方法があり、選び方で掛金や保険料の額は変わります。

国民健康保険は前年の所得で保険料が決まるため、退職した翌年度は在職中の給与の影響が残ります。どちらが負担を抑えられるかは、世帯の状況によっても変わります。

6. 退職の前に勤務先と共済組合、市区町村で確かめておくこと

平均額はあくまで令和6年度に退職した人の実績です。自分の場合の数字は、次の3つの窓口で確かめられます。

6.1 退職手当の見込み額は勤務先の人事担当で確かめる

退職手当は、退職日の俸給月額や勤続年数、退職理由をもとに国家公務員退職手当法にしたがって計算されます。見込み額は勤務先の人事担当に問い合わせてみましょう。

6.2 任意継続の掛金は共済組合、国民健康保険料は市区町村で試算してもらう

任意継続掛金の額は加入している共済組合で確かめられます。国民健康保険料は住んでいる市区町村の窓口で、前年の所得をもとに試算してもらえることがあります。

申出の期限が退職の日から20日と短いため、両方の額を退職前に確かめておくと慌てずに選べます。

7. まとめにかえて

令和6年度に退職手当を受け取った国家公務員の常勤職員は3万1193人で、平均は1094万3000円でした。年齢別では50〜54歳が1290万7000円、55〜59歳が2093万8000円、60歳以上が2105万9000円です。

同じ50〜54歳でも、自己都合は1351万6000円、応募認定は2128万3000円と、退職理由で差がありました。

退職金そのものは翌年度の国民健康保険料の所得割に入りませんが、退職後の健康保険の選び方で負担は変わります。退職を考え始めたら、勤務先・共済組合・市区町村の3か所で自分の数字を確かめてみてください。

参考資料

太田 彩子