3. 俸給表によって扶養手当の受給割合は大きく違う
扶養手当を受け取っている職員の割合は、適用される俸給表によって偏りがあります。
3.1 公安職俸給表(一)は49.6%と半数近い
第9表を俸給表別に見ると、公安職俸給表(一)の適用職員2万2043人のうち、扶養手当を受けているのは1万930人で49.6%でした。
行政職俸給表(一)では4万4951人で32.2%です。同じ国家公務員でも、扶養親族を抱える職員の割合は職種によって変わります。
3.2 指定職俸給表の適用職員には欄がない
第9表では、指定職俸給表の適用職員977人について扶養手当と住居手当の欄が空欄になっています。
前の章でみた「9級以上の職員等には支給されない場合がある」という扱いと合わせて読むと、上位の役職では扶養手当が給与に占める役割が変わっていることが分かります。
4. 平均給与月額のうち扶養手当は8653円
扶養手当が給与全体のなかでどれくらいの位置を占めるのかも押さえておきましょう。
4.1 全職員で割った平均としての数字
令和8年の調査によると、全俸給表の平均給与月額は43万9356円でした。その内訳のうち扶養手当にあたるのは8653円です。
ただしこの8653円は、扶養手当を受けていない職員も含めた24万8729人全体で割った平均です。受給者1人あたりの額ではありません。
4.2 第11表だけ母数が違う点に注意する
扶養親族数別の第11表の計は24万7222人で、俸給表適用人員の24万8729人とは一致しません。
差の1507人は、指定職977人、特定任期付職員490人、第一号任期付研究員17人、第二号任期付研究員23人です。他の表と割合を並べるときは、母数を書き分けて見ることになります。
5. まとめにかえて
国家公務員の扶養手当は、令和6年の勧告で決まった配偶者分の廃止が令和8年度に完了し、子は1万3000円になりました。16歳の年度初めから22歳の年度末までの子には5000円が加算されます。
令和8年4月1日現在で扶養親族がいない職員は16万1045人と65.1%を占め、扶養手当を受けているのは8万6177人でした。
扶養手当の話題を目にしたときは、どの年度の額なのか、そして受給者1人あたりの額なのか全職員の平均なのかを確かめてみると、実態に近い形で受け取れます。
扶養手当というと、配偶者分の有無が話題になりがちですが、実際には子の年齢や職員の級によっても金額が変わる、意外と細かい制度です。
今回の調査結果を見ると、扶養親族がいない職員が6割を超えている一方で、扶養手当を受け取る割合は俸給表によって大きな差がありました。同じ「国家公務員」という括りでも、家族構成や働き方は一様ではないことがうかがえます。
配偶者に対する手当を見直す動きは、国家公務員に限った話ではありません。民間企業でも、共働き世帯の増加や働き方の多様化を背景に、配偶者手当のあり方を見直す例が増えています。
ご自身の会社の手当制度についても、今回のようなニュースをきっかけに、一度確認してみてはいかがでしょうか。
