2. 69歳以下は高額療養費の自己負担限度額が月3万6900円まで下がる

住民税非課税世帯が受けられる医療費の優遇は、LIMOの記事「住民税非課税世帯になると受けられる優遇措置一覧。医療・介護・教育・保険料、自動適用と要申請の違いを整理」から要点を借りて確認します。

厚生労働省の高額療養費制度では、1か月の医療費の自己負担額に上限が設けられており、所得区分によって上限額が変わります。

69歳以下で住民税非課税世帯にあたる区分(区分オ)は、令和8年8月診療分から1か月の自己負担限度額が3万6900円です。過去12か月以内に3回以上上限に達した場合、4回目以降は「多数回該当」として2万4600円まで下がります。

70歳以上の場合はさらに所得区分が細分化されており、住民税非課税世帯の中でも「区分Ⅱ」「区分Ⅰ」に分かれ、外来だけの上限額と、入院を含む世帯単位の上限額がそれぞれ低く設定されています。区分Ⅰは老齢福祉年金の受給者や、年金収入等が一定額以下の世帯が対象で、区分Ⅱより上限額がさらに低くなります。

出所:住民税非課税世帯になると受けられる優遇措置一覧。医療・介護・教育・保険料、自動適用と要申請の違いを整理

69歳以下・住民税非課税世帯の高額療養費限度額(令和8年8月診療分から)2/2

69歳以下・住民税非課税世帯の高額療養費の自己負担限度額と多数回該当の額を示した表

出所:厚生労働省「高額療養費制度の見直しについて」をもとにLIMO編集部作成

なお3万6900円は、令和8年8月の見直しで従来の3万5400円から引き上げられた額です。

あわせて年間の上限額29万円も新設されました。

ただし窓口の支払いに反映させるには、ひと手間必要です。

この負担限度額を実際に窓口の支払いに反映させるには、加入している医療保険(協会けんぽ・国民健康保険等)から「限度額適用・標準負担額減額認定証」の交付を受けるか、マイナ保険証を利用する必要があります。

住民税非課税世帯の場合は、医療費の限度額とあわせて入院時の食事代も減額されるため、課税世帯向けの「限度額適用認定証」ではなくこちらが交付されます。

認定証がない場合、いったん通常の3割等を窓口で支払い、後日払い戻しを受ける形になります。払い戻しにも申請が必要で、加入している医療保険から届く通知に沿って手続きすることになります。

出所:住民税非課税世帯になると受けられる優遇措置一覧。医療・介護・教育・保険料、自動適用と要申請の違いを整理

3. まず自分の世帯が非課税かどうかを確かめる

ここまで、住民税の所得割と均等割、そして非課税世帯の高額療養費の自己負担限度額を見てきました。

世帯全員が所得割10%と均等割4000円の両方とも非課税であれば、住民税非課税世帯です。

非課税世帯にあたると、69歳以下では高額療養費の1か月の自己負担限度額が3万6900円まで下がります。ただし窓口の支払いに反映させるには、限度額適用・標準負担額減額認定証の交付を受けるかマイナ保険証を利用する必要があります。

自分の世帯が非課税に当たるかは市区町村の窓口で確認できます。医療費がかさみそうな時期の前に、一度確かめておくと安心です。

参考資料

LIMO編集部年金解説班