2. 【年金生活者支援給付金】みんな、平均で月いくら&年いくら? 老齢は月平均4146円

厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」(令和7年12月公表)に、年金生活者支援給付金の実績がまとまっています。令和7年3月において認定されている分の集計です。

年金生活者支援給付金は、種別ごとに平均でいくら受け取っているか1/3

年金生活者支援給付金は、種別ごとに平均でいくら受け取っているか

出所:厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」(令和7年12月公表)をもとにLIMO編集部作成

給付金全体では781万9978件が認定されており、給付金の総額は月あたり338億5700万円です。このうち最も件数が多いのが老齢年金生活者支援給付金で、450万4441件を占めます。

その老齢の平均給付月額が4146円でした。令和7年3月時点の給付基準額は5310円でしたから、1164円ぶん低いことになります。

基準額は保険料を480月すべて納めた方の額で、納めた月数に応じて自分の額が決まる仕組みだからです。今年度の基準額は5620円に上がっていますが、もちろんその水準での実績はまだ集計されていません。

ほかの種別も見ておきましょう。所得が基準額をわずかに超えた方に支給される補足的老齢年金生活者支援給付金は、106万664件で平均2177円です。調整支給率を掛けて算出するため、老齢よりさらに低くなります。

いっぽう障害年金生活者支援給付金は217万7166件で平均5727円、遺族年金生活者支援給付金は7万7707件で平均5228円でした。この2つは納付済期間による計算がなく、障害等級や受給する子の人数で決まるため、老齢より高い水準になっています。

年額に置き換えてみます。令和7年3月時点の平均4146円であれば、1年で4万9752円です。大きな額とはいえませんが家計としては助かりますよね。年金に上乗せされて、要件を満たしているかぎり続きます。

3. いくらの人がいちばん多い? 3000円台から5000円台に7割

平均だけでは実感がつかみにくいので、金額ごとの分布を見てみます。老齢年金生活者支援給付金の450万4441件を、給付金額の階級で分けたものです。

老齢年金生活者支援給付金は、いくらの人がいちばん多いか(男女別)2/3

老齢年金生活者支援給付金は、いくらの人がいちばん多いか(男女別)

出所:厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」(令和7年12月公表)をもとにLIMO編集部作成

多いのは3000円台から5000円台です。3000円以上4000円未満が108万2177件、4000円以上5000円未満が103万4357件、5000円以上6000円未満が104万5423件。この3つを合わせると316万1957件になり、全体の7割ほどを占めます。

いっぽうで、1000円に満たない方も7万5101人です。反対に、6000円以上の方も35万3767件(6000円台から1万円以上までの5階級の合計)いらっしゃいます。

男女差をみると、450万4441件のうち、女性が374万8592件を占めています。割合にすると8割を超えます。男性は75万5849件でした。

平均額も分かれています。男性が4423円、女性が4090円です。分布を見ると、女性は3000円台に96万3134件、2000円台に52万5566件と、男性より低い階級に厚く分布しています。国民年金の加入期間や保険料の納付状況の違いが背景にあると考えられますが、この集計からその理由までは読み取れません。

4. 年齢が上がるほど多いわけではない

もうひとつ、意外な傾向があります。年齢階級別に平均給付月額を見ると、年齢が上がるほど増えるという形にはなっていません。

年齢が上がるほど多いわけではない。老齢の平均給付月額3/3

年齢が上がるほど多いわけではない。老齢の平均給付月額

出所:厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」(令和7年12月公表)をもとにLIMO編集部作成

最も高いのは70歳未満で4905円です。そこから70歳から74歳が4374円、75歳から79歳が4092円、80歳から84歳が3936円と下がっていきます。ところが85歳から89歳は3989円、90歳以上は4045円と、そこから少し戻ります。いちばん高い70歳未満といちばん低い80歳から84歳では、969円の差があります。

件数で見ると、80歳から84歳が95万453件で最も多く、次いで90歳以上の86万5282件、75歳から79歳の85万9446件と続きます。70歳未満は43万9628件で、件数としてはいちばん少ない層です。

つまり、金額がいちばん高い層は人数としては少なく、人数が多い80歳代前半では金額が低い、という形になっています。この集計は理由までは示していないため、なぜそうなるのかを断定することはできません。ただ、受け取る額は年齢ではなく、保険料をどれだけ納めたか、免除期間がどれだけあったかで決まる仕組みですから、世代ごとの納付の状況が反映されていると読むことはできそうです。

補足的老齢年金生活者支援給付金は逆の形でした。70歳から74歳の2051円が最も低く、90歳以上の2515円が最も高くなっています。こちらは所得が基準額に近いほど額が小さくなる仕組みなので、同じようには比べられません。

5. 元証券会社社員の執筆者コメント

宮野 茉莉子
平均4146円という数字を見て、思ったより少ないと感じた方もいるかもしれません。ただ、この給付金の性格を考えると、金額の大きさだけで判断しないほうがよいと思っています。1年にすれば4万9752円ですから、光熱費の一部にはなります。年金は偶数月にまとめて振り込まれるため、月々の家計では山と谷ができます。この給付金も同じ偶数月に、年金とは別に入ります。額そのものより、入る月と入らない月の差をならす材料として見ておくほうが実用的ではないでしょうか。そして今回のはがきは、書くところが3つしかありません。届くのが令和9年1月4日(月曜)を過ぎてしまうと、さかのぼれる分を失うことになります。はがきには請求した場合の見込額も記載されていますから、まず出して、あとで届く通知書で金額は確かめるのが順番として自然でしょう。自分が対象かどうか判断がつかない場合は、給付金専用ダイヤル(0570-05-4092。050から始まる電話番号からは03-5539-2216)か、お近くの年金事務所に確認してください。

参考資料

宮野 茉莉子