老後の支出額が気になる方も多いでしょう。
8月31日、厚生労働省が介護給付費等実態統計の令和8年5月審査分を公表しました。 介護サービス受給者1人当たりの費用額は月20万4900円で、前年同月の20万3000円から1900円増えています。要介護5では32万4600円と、前年より4900円増えました。
老後に備えるお金は介護だけではありません。医療費もかかります。
その医療費の窓口負担割合が、後期高齢者医療では8月1日に切り替わりました。 割合が変わった方には市区町村から書類が届いているはずです。
割合の判定に使われているのは、その年の所得ではありません。いつの所得で決まるのかを知っておくと、変わった理由が見えてきます。
筆者は元自治体職員として、後期高齢者医療の保険料の計算を担当していました。この記事では、窓口負担割合の判定基準日と、判定に使う所得の年、そして1割・2割・3割の分かれ目を順に確かめます。
なお、後期高齢者の窓口負担割合に関する詳しい解説は、下記の記事より一部を引用・参照しています。
- 判定の基準日は毎年8月1日。受診月が1月から7月なら前々年の所得で判定されます
- 判定には順番があり、先に3割かどうか、そのあとで1割か2割かを判定します
- 2割は課税所得28万円以上かつ年金収入等が単身200万円以上・複数世帯320万円以上です
1. 後期高齢者医療の窓口負担割合。基準日は毎年8月1日
まず、いつの時点で窓口の負担割合が決まるのかを確認します。
東京都後期高齢者医療広域連合によると、自己負担割合は毎年8月1日を基準日として、医療機関等にかかる月の前年の所得等をもとに判定します。ただし1月から7月までの場合は前々年です。
1.1 同じ年でも受診月によって使われる所得の年が違う
この決まり方には、見落とされやすい点があります。同じ年に受診しても、1月と9月では判定に使われている所得の年が違うということです。
1月から7月までは前々年、8月以降は前年の所得で判定されます。年の途中の8月で切り替わるためです。
後期高齢者医療の窓口負担割合は、受診した月で判定に使う所得の年が変わります/0
出所:東京都後期高齢者医療広域連合「自己負担割合」をもとにLIMO編集部作成
2. 後期高齢者医療の窓口負担割合の判定には順番がある
次に、どの順で判定されるのかを見ていきます。
広域連合は、まず3割負担に該当するかを判定し、そのうえで1割負担または2割負担のどちらになるかを判定するとしています。3割の判定が先に来る形です。
2.1 先に3割かどうかを見る
現役並み所得者にあたる方は3割負担です。厚生労働省も、現役並み所得者は令和4年10月1日以降も引き続き3割としています。
ここに当てはまらなかった方が、次の段階で1割か2割かに分かれます。順番が決まっているので、2割の基準だけを見ても自分の割合は判断できません。
3割の判定では世帯が見られます。この点について、LIMOの記事「【75歳からの医療費】いちばん重い「3割負担」になる年収はいくら?老後の家計を左右する判定基準をズバリ解説」から要点を引用しておきます。
該当者がいる場合、その世帯は原則として現役並み所得者と判断され、3割負担となる可能性が高くなります。
出所:【75歳からの医療費】いちばん重い「3割負担」になる年収はいくら?老後の家計を左右する判定基準をズバリ解説
3. 後期高齢者医療で2割負担になる所得の基準
次に2割と1割の分かれ目を確認します。
厚生労働省によると、課税所得が28万円以上かつ「年金収入+その他の合計所得金額」が単身世帯の場合200万円以上、複数世帯の場合合計320万円以上の方は、窓口負担割合が2割となります。
3.1 2つの条件を両方満たす場合に2割になる
課税所得と年金収入等の2つがあり、どちらか一方ではなく両方を満たしたときに2割です。それ以外の方は1割となります。
複数世帯の320万円は、同じ世帯の後期高齢者医療の被保険者を合計した額で見ます。自分ひとりの収入では届かなくても、世帯の合計で基準を超えることがあります。
そのため、「本人の収入が少ないから自己負担も軽い」とは限らない点に注意が必要です。
出所:【75歳からの医療費】いちばん重い「3割負担」になる年収はいくら?老後の家計を左右する判定基準をズバリ解説
後期高齢者医療の窓口負担割合は、3割を先に判定してから1割と2割に分かれます/0
出所:厚生労働省「後期高齢者医療制度の窓口負担割合の見直し」および東京都後期高齢者医療広域連合「自己負担割合」をもとにLIMO編集部作成

