4. 半年ごとに見直されるのは変動10年だけ

順位を見るときに前提となる違いがあります。

4.1 固定5年と固定3年は満期まで変わらない

固定5年と固定3年は、発行時の利率が満期まで変わりません。9月募集分を買えば、固定5年なら5年間、固定3年なら3年間、2.24%と1.96%が続きます。

受け取る利子の総額が、買った時点で決まる形です。この先の金利がどう動いても影響を受けません。

4.2 変動10年は実勢金利に応じて動く

変動10年は、実勢金利に応じて半年ごとに適用利率が変わります。1.95%は最初の半年に適用される利率で、その後は基準金利に応じて上下します。

実勢金利が上がれば受け取る利子が増えることもあります。逆に下がれば減りますが、どのタイプも年率0.05%の最低金利が保証されています。

5. 【元銀行員の視点】順位で選ばないほうがよい理由

資産運用の相談を受けてきた立場から、見ておきたい点を挙げます。

5.1 今月の順位は来月の順位ではない

個人向け国債は毎月発行されており、適用利率は毎月決まります。今月固定3年が変動10年を上回ったからといって、来月も同じとはかぎりません。

実際、8月と9月では順位が入れ替わっています。1か月の数字だけを見て決めると、判断の材料が足りなくなります。

5.2 満期までの期間から考える

選ぶ順番としては、そのお金をいつまで使わない予定なのかが先にきます。3年後に使う予定があるお金を固定5年で持つと、途中で換金することになります。

中途換金は発行後1年を経過すれば可能ですが、直前2回分の各利子の税引前相当額に0.79685を掛けた額が差し引かれます。使う時期が決まっているなら、それに合う満期を選んでおきたいところです。

6. 確かめておきたいこと

買う前に見ておく点をまとめます。

6.1 募集期間は毎月設定されている

個人向け国債は毎月発行されており、発行日以前の一定期間が募集期間です。金融機関によって取り扱っている種類や募集期間が異なります。

購入するには証券会社や銀行、郵便局などに国債専用の口座が必要です。口座開設には数日かかることがありますので、余裕をみておきましょう。

6.2 利子には税金がかかる

国債の利子は、受け取るときに20.315%分の税金が差し引かれます。表示されている利率は税引前の数字です。

なお障害者などの非課税貯蓄制度、いわゆるマル優の適用を受けて非課税とすることもできます。この制度については税務署などで確認できます。

7. まとめにかえて

9月募集分の適用利率は固定5年2.24%、固定3年1.96%、変動10年1.95%でした。8月募集分では変動10年1.87%が固定3年1.71%を上回っていたため、順位が入れ替わったことになります。

変動10年の基準金利は2.96%で3つのなかで最も高いのですが、0.66を掛けるため適用利率は最も低くなります。固定5年と固定3年は基準金利から0.05%と0.03%を差し引くだけで、計算のしかたが違います。

利率は毎月決まるため、今月の順位は来月の順位とはかぎりません。そのお金をいつまで使わない予定なのかを先に決めて、合う満期を選んでみてください。

参考資料

和田 直子