3. 生活保護の第4条は補足性。ただし急迫した事由には例外がある
4つ目の原理を見ていきます。
3.1 資産・能力その他あらゆるものの活用が要件
第4条第1項は、保護は生活に困窮する者が、その利用し得る資産、能力その他あらゆるものを、その最低限度の生活の維持のために活用することを要件として行われると定めています。
第2項では、民法に定める扶養義務者の扶養および他の法律に定める扶助は、すべてこの法律による保護に優先して行われるものとするとされています。年金など他の制度が先という順番です。
3.2 第3項に例外が置かれている
第3項は、前二項の規定は、急迫した事由がある場合に、必要な保護を行うことを妨げるものではないとしています。
資産の活用や扶養の確認が済んでいなくても、急を要する状況であれば保護を行えるということです。原則のすぐ後ろに例外が置かれています。
4. 生活保護の基本原理は解釈と運用の土台になる
この4条がどう扱われるのかを確認します。
4.1 第5条が位置づけを定めている
第5条は、前四条に規定するところは、この法律の基本原理であつて、この法律の解釈及び運用は、すべてこの原理に基いてされなければならないとしています。
個別の条文をどう読むかも、この4条から外れないことが求められているということです。
4.2 用語も第6条で定義されている
第6条では用語が定義されています。被保護者とは現に保護を受けている者、要保護者とは現に保護を受けているといないとにかかわらず保護を必要とする状態にある者です。
保護金品とは保護として給与または貸与される金銭および物品を指します。制度の説明を読むときに出てくる言葉です。
5. 生活保護の基本原理を読むときに気をつけたいこと
一次資料に当たる立場から、見方を挙げておきます。
5.1 原理と原則は別に置かれている
第1条から第4条までが基本原理で、第1章の総則に置かれています。これとは別に、第2章の第7条から第10条に保護の原則があります。
条文の章立てが分かれていますので、混ぜずに読むほうが整理しやすくなります。
5.2 実際の判断は窓口で確認する
条文は制度の枠組みを示すものです。自分の状況が要件に当たるかどうかは、記録や書類を見なければ判断できません。
相談先は、お住まいの地域を所管する福祉事務所の生活保護担当です。
6. 生活保護の基本原理は第1条から第4条の4つ
生活保護法の基本原理は、第1条の目的、第2条の無差別平等、第3条の最低生活、第4条の保護の補足性です。第5条により、この法律の解釈及び運用はすべてこの原理に基いてされなければならないとされています。
第1条の目的は、最低限度の生活を保障することと自立を助長することの2つです。第3条の水準は「健康で文化的な生活水準」と書かれています。
第4条には、急迫した事由がある場合に必要な保護を行うことを妨げないという例外が置かれています。原則だけでなく、この例外もあわせて押さえておきましょう。