3. 給付付き税額控除は「改革の本丸」と位置づけられている
ここに給付を組み合わせるのが、いま検討されている制度です。
3.1 向けられているのは中所得・低所得の世帯
高市総理は令和8年8月5日の会見で、税・社会保険料負担や物価高に苦しんでいる中所得・低所得の方々の負担軽減が現下の最重要課題であると述べています。
そのうえで、給付付き税額控除を改革の本丸と位置づけ、飲食料品の消費税率についてはその実施までのつなぎと位置づけて検討を進めてきたとしています。
3.2 消費税率の引き下げは「つなぎ」の扱い
飲食料品の消費税率の話が先に伝わったため、そちらが本体だと受け取られることがあります。会見での位置づけは逆で、本体は給付付き税額控除のほうです。
4. 給付付き税額控除の詳細は9月の大綱で決まる
では、いつ何がわかるのかを見ていきます。
4.1 大綱の決定と法律案の提出
会見では、制度の詳細設計をさらに進めて、9月には大綱を決定した上で臨時国会に法律案を提出し、早期成立を目指すとされています。
閣議決定されたのは基本方針です。誰がいくら受け取れるかといった具体的な設計は、この先の段階になります。
4.2 財源の考え方も示されている
会見では財源についても、歳出・歳入両面の見直しを進めること、租税特別措置・補助金の見直しをさらに深掘りすること、特別会計や基金などからのさらなる歳入確保の取組をゼロベースで進めることが挙げられています。
消費税がその貴重な財源である社会保障にも影響が出ないよう対応するとも述べられています。
5. 給付付き税額控除を待つあいだに確かめておきたいこと
制度の詳細が決まるまでのあいだにできることを挙げておきます。
5.1 いま使える控除を取りこぼしていないか
所得控除は16種類あります。医療費控除や社会保険料控除、扶養控除など、申告しなければ反映されないものも含まれます。
新しい制度を待つ前に、いま使える控除を確認しておくほうが確実です。
5.2 家計の予定には金額を織り込まない
基本方針の段階では、対象や金額は決まっていません。報じられた数字を家計の予定に入れてしまうと、後で組み直すことになります。
大綱が決まるまでは、制度の位置づけを押さえておくだけで十分です。
6. 給付付き税額控除は「税額から引く控除」に給付を足す仕組み
所得控除は所得から、税額控除は計算後の税額から差し引きます。給付付き税額控除は、このうち税額控除に給付を組み合わせるものとして検討されています。
政府はこれを改革の本丸と位置づけ、飲食料品の消費税率はその実施までのつなぎとしています。向けられているのは中所得・低所得の世帯です。
詳細設計は9月の大綱と、その後の法律案で決まります。それまでは、いま使える所得控除を取りこぼしていないかを確かめておきましょう。
参考資料
和田 直子