3. 都道府県別で最も高いのは岡山県の23万2100円
都道府県ごとの金額も公表されていますので、並べてみましょう。
3.1 上位と下位の差は1万2100円
一般行政職の大学卒・試験採用でみると、最も高いのは岡山県の23万2100円です。以下、愛知県が23万900円、長野県が23万500円、福島県が23万300円、滋賀県が22万9441円と続きます。
最も低いのは22万円で、北海道、神奈川県、長崎県、宮崎県、沖縄県の5道県が同じ額でした。最高と最低の差は1万2100円です。
3.2 22万円は国の基準額と同じ水準
この22万円という額は、国の大学卒・試験採用の初任給基準額と同じです。先ほどの「国と同じ額の都道府県は5団体」という数字と、この5道県が対応しています。
つまり都道府県の初任給は、国の基準額を下限として、そこにどれだけ上乗せするかで差がついている形です。国より低い都道府県はありませんでした。
4. 【元銀行員の視点】初任給は基本給の額で、手当は別に集計される
数字を受け取るときに、ひとつ気をつけたい点があります。
4.1 給料月額は基本給の平均
総務省の用語解説によると、この調査でいう平均給料月額は職員の基本給の平均です。扶養手当や地域手当、住居手当、時間外勤務手当などは諸手当月額としてまとめられ、給料月額と諸手当月額を合計したものが平均給与月額とされています。
初任給として示されている額は、給料表にもとづく額です。実際に受け取る給与は、ここに諸手当が加わる一方で、社会保険料や税が差し引かれます。
4.2 職種によって初任給の水準は変わる
同じ都道府県でも職種によって初任給は違います。小・中学校教諭の大学卒は25万2015円、高等学校教諭の大学卒は25万2009円、看護師の短大3卒は25万2350円、消防士の大学卒は25万1800円でした。
巡査の高校卒は22万4563円で、一般行政職の高校卒19万3860円を上回っています。医師の大学卒は31万2077円と、職種のなかで最も高くなっていました。
窓口にいた頃、新社会人の方の給与振込口座を開設する場面が毎年ありました。多かったのは「聞いていた額より少ない」というご相談で、初任給として示された額と、実際に振り込まれる額の違いが背景にありました。
初任給の1回目は、社会保険料の控除がまだ始まっていないぶん多めに見え、2回目以降に減ったように感じられることもあります。額面と手取りは分けて考えておくと、入社後に慌てずに済みます。
水準を比べるときも同じで、団体区分や都道府県ごとの差は、あくまで基本給部分の差です。地域手当のように地域によって差が出る手当もありますので、額面の高さがそのまま暮らしやすさに直結するわけではありません。
民間の給与水準と並べて見たい場合は、給与所得者の年収分布もあわせて確かめてみてください。なお、給与の内訳や控除の扱いは団体によって異なりますので、具体的な条件は採用時の資料や勤務先の担当部署でご確認ください。
5. まとめにかえて
令和7年4月1日現在で、都道府県の一般行政職の初任給は大学卒の試験採用で平均22万5694円でした。市が22万2738円、指定都市が22万1015円、町村が22万751円、特別区が22万87円と続きます。
国の初任給基準額22万円を上回る都道府県は42団体で、全都道府県の89.4%を占めます。都道府県別では岡山県の23万2100円が最も高く、最低の22万円との差は1万2100円でした。
ただし、この額は基本給にあたる部分です。手当が加わることと、社会保険料や税が引かれることを分けて見ておきましょう。
参考資料
- 総務省「令和7年地方公務員給与実態調査結果(令和7年地方公務員給与の実態)」
- 総務省「公表様式の用語解説」
- LIMO「日本の給与所得者「年収600万円以上」は全体の何%?【男女別・年代別の平均給与一覧】もみる」
中本 智恵
