3. いくらもらえる?給付基準額と支払われるタイミング
年金生活者支援給付金の金額は、物価変動率を踏まえ年度ごとに改定されるルールがあります。これにより、2026年度分については、前年度から「+3.2%」となりました。
老齢年金生活者支援給付金の2026年度の給付基準額は、月額5620円です。実際の給付額は、この基準額をもとに保険料納付済期間等に応じて決定します。なお、厚生労働省「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によれば、2025年3月における老齢年金生活者支援給付金の平均給付月額(※2025年3月において認定されている平均給付金額)は4146円でした。
3.1 年金生活者支援給付金の支給日は原則「偶数月の15日」
「年金生活者支援給付金」は、年金と同じく年6回、偶数月の15日に支払われます(※15日が土日・祝日の場合は、その直前の平日に前倒し)。年金とは別に、同じ口座に同じ日に振り込まれるため、通帳には2つの振込記録が記載されます。
原則として、各支払月にはその前月までの2カ月分がまとめて支払われます。例えば、10月には8月・9月分、12月には10月・11月分、といった具合です。9月に届いたはがき型請求書を期日内に提出できた場合も、この2カ月分まとめ払いの仕組みに沿って、遡って認められた月分から順次支払われる形になります。
4. 年金の平均受給額と合わせて見る、暮らしへの影響
年金の受給額には大きな個人差があります。平均的な水準については、LIMOの記事「【2026年最新・年金早見表】厚生年金・国民年金はいくらもらえる?平均受給額一覧と手取りのリアル!社会保険料・税金が引かれる「天引き」まで徹底解説」から要点を引用して確認しておきましょう。
厚生年金の平均年金月額は〈全体〉15万289円、〈男性〉16万9967円、〈女性〉11万1413円(いずれも国民年金の金額を含む)。国民年金は〈全体〉5万9310円、〈男性〉6万1595円、〈女性〉5万7582円です。年金の受給額はこれまでの加入状況によって決まるため、人によって大きな差が生じる点には注意が必要です。
出所:【2026年最新・年金早見表】厚生年金・国民年金はいくらもらえる?平均受給額一覧と手取りのリアル!社会保険料・税金が引かれる「天引き」まで徹底解説
国民年金の平均月額(全体5万9310円)と、老齢年金生活者支援給付金の平均給付月額(4146円)を単純に足すと、月6万3456円ほどになります。給付金の月額そのものは大きくありませんが、国民年金だけで生活している世帯にとっては、家計の中で一定の存在感を持つ金額といえます。
年金生活者支援給付金は、月額だけを見ると数千円程度と、地味な印象を持たれがちです。ですが、国民年金だけで暮らしている世帯にとっては、この数千円が食費や光熱費の変動を吸収する余地になっていることも少なくありません。
特に注意したいのは、この給付金が「請求しなければ受け取れない」制度だという点です。所得が下がって新たに対象になっても、はがきが届いたことに気づかなかったり、他の郵便物に紛れて放置してしまったりすると、受け取れるはずのお金を取りこぼしてしまいます。ご自身だけでなく、離れて暮らす親御さんの分も、9月から10月にかけては届いた郵便物を一緒に確認してみることをおすすめします。
5. 請求手続きの流れ、「初めて」と「継続受給」で何が違う?
老齢年金生活者支援給付金は、支給対象となったら自動的に年金に上乗せされるものではありません。公的年金本体と同様に「請求手続き」をおこなわないと、受け取ることができないお金です。
今回は、手続きフローを「これから65歳を迎え、老齢年金の受給がスタートする人」と「すでに老齢年金を受給している人」に分けて紹介しておきましょう。
5.1 これから65歳を迎え、老齢年金の受給がスタートする人
誕生日の3カ月前に、老齢基礎年金の請求書とともに給付金請求書が郵送されます。必要事項を記入し、老齢基礎年金の請求書とともに最寄りの年金事務所に提出します。
5.2 すでに老齢年金を受給している人
冒頭でも触れたように、すでに老齢年金を受給中の人が、所得の低下などにより新たに年金生活者支援給付金の対象となった場合、毎年9月の第1営業日から順次、年金生活者支援給付金請求書(はがき型)が届きます。必要事項を記入し、郵便ポストに投函しましょう。
5.3 要件を満たせば、2年目以降は手続き不要で継続受給
年金生活者支援給付金は、一度請求手続きをおこなえば「支給要件を満たす限り」2年目以降は手続き不要です。前年の所得に基づいて継続支給の判定がおこなわれ、その結果が毎年10月分(12月支給分)から1年間反映されます。給付額が改定された際には「年金生活者支援給付金支給金額改定通知書」が、給付金の支給対象外となった場合には「年金生活者支援給付金不該当通知書」が郵送されます。
「はがきに書かれた期日までに提出すれば、さかのぼって支給される」という仕組みは、裏を返せば「期日を過ぎると、さかのぼりの分だけ受け取れなくなる」ということでもあります。数カ月分とはいえ、月5000円前後の給付金が積み重なれば、決して小さくない金額になります。
2年目以降は手続きが不要になる分、初回の請求だけは自分の意思で動かなければならない、という点を意識しておくとよいと思います。特に、まとまった書類が苦手な方や、複数の通知書が同時期に届いて混乱しやすい方は、はがきが届いた時点でカレンダーやスマートフォンに期日をメモしておくと、うっかり忘れを防ぎやすくなります。
6. まとめ
年金生活者支援給付金は、基礎年金の受給者のうち一定の所得要件を満たす方が、年金に上乗せして受け取れる給付金です。2026年度の老齢年金生活者支援給付金の基準額は月5620円で、前年度から3.2%引き上げられました。新たに対象になった方には毎年9月から「請求書(はがき型)」が届き、はがきに記載された期日までに提出すれば、さかのぼって支給を受けられます。期日を過ぎると、さかのぼりの支給は受けられなくなるため、届いたはがきは後回しにせず、早めに提出しておくことをおすすめします。
参考資料
- 厚生労働省「年金生活者支援給付金」
- 日本年金機構「老齢(補足的老齢)年金生活者支援給付金の概要」
- 厚生労働省「令和8年度の年金額改定についてお知らせします」
- 厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 日本年金機構「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)が届いた方へ」
- 日本年金機構「手続きが遅れると年金生活者支援給付金は受け取れなくなりますか」
- 日本年金機構「個人の方の電子申請(年金生活者支援給付金請求書)」
- 日本年金機構「年金生活者支援給付金の振り込みはいつですか」
- 日本年金機構「「支給金額変更通知書」(または「不該当通知書」)が届きました。なぜですか」
和田 直子

