4. 勤め先収入の差は将来の年金にも表れる
いまの収入と将来の年金はつながっています。
4.1 年間収入の男女差は106万8000円
同じ調査では、単身世帯の年間収入額が男性470万7000円、女性363万9000円と示されています。差の大部分は勤め先収入で、男性415万4000円に対し女性313万2000円でした。
厚生年金の報酬比例部分は、加入期間中の報酬をもとに計算されます。現役期の収入差は、そのまま将来受け取る年金額の差につながる部分です。
4.2 現時点の年金給付は女性が多い
ただし現時点で受け取っている公的年金・恩給給付は、男性16万4000円、女性18万7000円で女性のほうが多くなっています。
これは受給している世帯の年齢構成などが影響していると考えられます。将来の受給額の見通しとは別の数字として読む必要があります。
5. この調査の性格
数字の読み方を押さえておきます。
5.1 単純平均値であること
今回の表は「単純平均値」と明記されています。中央値ではないため、一部の大きな金額に引き上げられている可能性があります。
集計世帯数は2930世帯で、世帯主の平均年齢は44.5歳、65歳以上人員は0.08人です。高齢の単身世帯の実態を示す数字ではありません。
5.2 受給世代を見たい場合
年金を受け取っている世代の姿を知りたい場合は、年齢階級別の表を見る必要があります。この調査には世帯主の年齢階級で分けた表も用意されています。
全世帯の平均だけで判断すると、実像から離れることになります。
6. 上乗せを考えるときの順番
数字から見えてくることをまとめます。
6.1 まず自分の公的年金を確かめる
上乗せをいくら用意すべきかは、公的年金でいくら受け取れるかによって変わります。ねんきん定期便やねんきんネットで見込額を確認するのが出発点です。
単身世帯はご自身の年金が生活の柱となるため、早めに確認しておくと将来の計画が立てやすくなります。
6.2 勤め先の制度を確かめる
企業年金の平均額が年2万5000円という数字は、企業年金制度がない(受給額が0円の)世帯も含めた全体の平均値です。自分の勤め先に企業年金があるかどうかで、出発点はまったく変わります。
制度の有無と内容は、勤め先の担当部署で確認できます。そのうえで足りない部分をどう埋めるかという順番になります。
7. まとめにかえて
単身世帯が受け取っている企業年金・個人年金給付は年6万5000円で、内訳は企業年金2万5000円、個人年金4万円です。公的年金・恩給給付の17万5000円とあわせても年24万円になります。
資産として持っている年金型貯蓄は59万6000円で、貯蓄現在高1489万1000円の4%程度です。企業年金は男性が多く、個人年金と年金型貯蓄は女性が多いという違いもあります。
いずれも世帯主の平均年齢44.5歳の単純平均値です。自分の場合を考えるときは、まずねんきん定期便で公的年金の見込額を確かめてみてください。
参考資料
村岸 理美