4. 受け取っていた方が亡くなったとき、死亡月分までは残る

受け取り始めたあとの話も見ておきましょう。

4.1 年金と同じ請求書で手続きする

日本年金機構によると、年金は死亡月分まで支払われます。まだ振り込まれていない分や、死亡日より後に振り込まれた分のうち死亡月分までの年金は、亡くなった方と生計を同じくしていた遺族が請求することで受け取れます。

年金生活者支援給付金についても、同じように未支払給付金の制度があります。使う様式は「年金受給権者死亡届(報告書)兼未支給年金・未支払給付金請求書」です。

未支給の年金と未支払の年金生活者支援給付金のどちらも受け取れる場合は、この請求書を出すことで両方の請求をしたことになります。用紙を2枚書く必要はありません。

4.2 時効の年数が年金と給付金で違う

ここで押さえておきたいのが、期限です。未支給年金を受ける権利は5年を経過したときに時効で消滅しますが、未支払給付金は2年となっています。

同じ請求書で手続きするにもかかわらず、給付金のほうが期限は短く設定されています。請求書を提出してから受け取るまでには、おおむね3カ月かかるとされています。

未支給年金と未支払給付金は、請求書は同じでも時効の年数が違います2/2

未支給年金と未支払給付金は、請求書は同じでも時効の年数が違います

出所:日本年金機構「年金を受けている方が亡くなったとき」をもとにLIMO編集部作成

4.3 請求できる遺族には順番がある

請求できるのは、亡くなった方と生計を同じくしていた遺族です。順位は、配偶者(事実婚関係にある方を含む)、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹、その他3親等内の親族の順と決められています。

先の順位にあたる方がいる場合、あとの順位の方は受け取れません。また、別居していた場合は「生計同一関係に関する申立書」を添えて、仕送りをしていた、定期的に訪問して看護していたといった事情を申し立てることになります。

なお、マイナンバーが日本年金機構に収録されている方は、年金受給権者死亡届を原則として省略できます。ただし省略できるのは死亡の届出であって、未支給分の請求は別に手続きが必要です。

5. 世帯の非課税という条件は、窓口でも説明に時間がかかった

元自治体職員として感じてきたことを、少し書いておきます。

5.1 課税・非課税は世帯単位で見る場面が多い

保険料の計算を担当していた頃、住民税の課税情報を参照しながら金額を出していました。そこで扱う軽減の判定も世帯単位のものがあり、「本人は所得がないのに、なぜ軽減されないのか」という問い合わせを受けることがありました。

同居している家族が1人でも課税されていれば、判定の結果は変わります。老齢年金生活者支援給付金の2つ目の要件も同じ考え方で、本人の年金額だけを見て判断できるものではありません。

世帯構成が変われば結果も変わりますので、同居や別居のタイミングで一度確認しておくと安心です。

5.2 迷ったときに聞ける窓口がある

世帯の課税・非課税の状況は、お住まいの市区町村で確認できます。給付金そのものの要件や請求書の書き方については、給付金専用ダイヤルや年金事務所が相談先です。

亡くなったあとの未支給年金・未支払給付金の手続きも、年金事務所や街角の年金相談センターで相談できます。書類の書き方や添付する資料は状況によって変わりますので、自己判断で進める前に問い合わせてみてください。

6. まとめにかえて

2026年度の年金生活者支援給付金の給付基準額は月5620円で、前年度から3.2%引き上げられました。老齢については保険料を納めた期間に応じて計算されますので、全員が5620円を受け取るわけではありません。

対象になるのは、65歳以上の老齢基礎年金の受給者で、同一世帯の全員が市町村民税非課税、かつ前年の公的年金等の収入とその他の所得の合計が80万9000円以下の方です。わずかに超えた場合は補足的老齢年金生活者支援給付金があります。

受け取っていた方が亡くなったときは、死亡月分までが残ります。未支給年金の時効は5年、未支払給付金は2年ですので、思い当たる方は早めに年金事務所へ相談してみてください。

参考資料

太田 彩子