年金生活者支援給付金は、一度手続きを済ませれば毎年の申請が要らない給付金です。ただし受け取り続けられるかどうかは、毎年あらためて判定されます。
判定に使われるのは前年の所得で、結果が反映されるのは10月分(12月支給分)から。2026年度(令和8年度)の老齢の給付基準額は月5620円です。
この記事では、老齢年金生活者支援給付金の支給要件と2026年度の給付基準額、支給日、そして初回と2回目以降の手続きの違いを整理していきます。
なお、年金生活者支援給付金の制度内容や年金の平均受給額に関する詳しい解説は、下記の記事より一部を引用・参照しています。
- 請求手続きは初回だけで、2年目以降は前年の所得にもとづいて自動的に判定されます
- 判定の結果は毎年10月分(12月支給分)から1年間反映されます
- 金額が変われば支給金額変更通知書、対象から外れれば不該当通知書が届きます
1. 年金生活者支援給付金は老齢・障害・遺族で別建て。金額の決まり方も異なる
年金生活者支援給付金は、基礎年金を受け取る方のうち所得などの条件に当てはまる方へ、年金に上乗せして支払われるお金です。
年金の種類に応じて、3種類の給付金が設けられています。
- 老齢年金生活者支援給付金
- 障害年金生活者支援給付金
- 遺族年金生活者支援給付金
出所:年金生活者支援給付金とは?2026年最新の対象者・いくらもらえるか・ハガキが届かない理由を徹底解説
すでに基礎年金を受け取っている方が、所得が下がったことなどで新たに対象となった年には、例年9月の第1営業日から順に「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)」が薄緑色の封筒で届きます。
※老齢年金を繰上げ受給中の人は、65歳になる誕生月の初旬(1日生まれの方は前月の初旬)に届きます。

このはがき型の請求書が手元に届いたときは、電子申請でも提出できます。
スマートフォンやパソコンとマイナンバーカードを使って送信すれば、郵送の手間はかかりません。
2. 老齢年金生活者支援給付金の対象になるのはどんな人?世帯単位で見る非課税
3種類のうち、受給者がもっとも多く家計への影響も大きいのが老齢年金生活者支援給付金です。以下では老齢の給付金に話を絞ります。
2.1 65歳以上・世帯全員が非課税・所得80万9000円以下の3点
支給されるのは、下の3つをすべて満たす方です。2つめは本人だけでなく世帯全員が対象になる点に注意してください。
- 65歳以上の老齢基礎年金の受給者
- 同一世帯の全員が市町村民税非課税
- 前年の公的年金等の収入金額とその他の所得との合計額が昭和31年4月2日以後に生まれの方は80万9000円以下、昭和31年4月1日以前に生まれの方は80万6700円以下(※)である
3つめの判定に、障害年金や遺族年金のような非課税の収入は算入されません。
※昭和31年4月2日以後に生まれた方で80万9000円を超え90万9000円以下である方、昭和31年4月1日以前に生まれた方で80万6700円を超え90万6700円以下である方には、「補足的老齢年金生活者支援給付金」が支給されます。
3. 2026年度の給付基準額は月5620円。3.2%の引き上げは物価変動率を反映
給付金の額は固定ではありません。物価変動率をもとに、年度ごとに改定されるルールが定められています。
2026年度分の改定率は、前年度から「+3.2%」でした。
3.1 給付基準額月額5620円と平均4146円のずれはどこから生まれるか
2026年度の給付基準額は月額5620円です。ここから保険料納付済期間などを反映させて、一人ひとりの支給額が決まります。
厚生労働省「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によれば、2025年3月時点で認定されていた老齢年金生活者支援給付金の平均給付月額(※)は4146円でした。基準額に届かない方が多いということです。
※2025年3月において認定されている平均給付金額です。給付基準額が月5310円だった令和6年度に支給されていた金額のため、2026年度の5620円とは基準が異なります。
3.2 偶数月15日の支給。通帳には年金と2行で並ぶ
支払われるのは年6回、偶数月の15日です(※15日が土日・祝日の場合は、その直前の平日に前倒し)。
年金と同じ口座に同じ日付で入りますが、振込は別々に立ちます。通帳では2行に分かれて記録されます。
1回で受け取るのは、その前月までの2カ月分です。10月の支給なら8月・9月分、12月なら10月・11月分にあたります。
4. 年金額の個人差はどこから?国民年金と厚生年金の平均年金月額
要件の3つめは前年の年金収入等で判定されるため、まず自分の年金額の位置を知っておくと見通しが立ちます。平均的な水準を、LIMOの記事「【2026年最新・年金早見表】厚生年金・国民年金はいくらもらえる?平均受給額一覧と手取りのリアル!社会保険料・税金が引かれる「天引き」まで徹底解説」から引用します。
厚生年金の平均年金月額は〈全体〉15万289円、〈男性〉16万9967円、〈女性〉11万1413円(いずれも国民年金の金額を含む)。国民年金は〈全体〉5万9310円、〈男性〉6万1595円、〈女性〉5万7582円です。年金の受給額はこれまでの加入状況によって決まるため、人によって大きな差が生じる点には注意が必要です。
出所:【2026年最新・年金早見表】厚生年金・国民年金はいくらもらえる?平均受給額一覧と手取りのリアル!社会保険料・税金が引かれる「天引き」まで徹底解説
5. 年金生活者支援給付金の請求手続き。継続の判定は毎年10月分から切り替わる
要件に当てはまっていても、請求しないうちは支給が始まりません。公的年金の本体と同じで、書類を出して初めて受け取れるお金です。
初回の流れは、65歳を迎える方と、すでに老齢年金を受け取っている方で異なります。それぞれ見ていきましょう。
5.1 65歳を迎える人は誕生日の3カ月前に書類が届く
老齢基礎年金の請求書と一緒に、給付金の請求書が郵送されてきます。時期は誕生日の3カ月前です。
記入したうえで、年金の請求書と合わせて最寄りの年金事務所へ出します。
5.2 受給中の人へは9月から順に薄緑色の封筒が届く
先に触れたとおり、すでに老齢年金を受け取っている方が所得の低下などで新たに対象となった場合、毎年9月の第1営業日から順に、はがき型の請求書が送られてきます。
記入して郵便ポストに入れれば、それで手続きは完了です。
5.3 2回目からは前年の所得で自動判定。結果は10月分から1年間
請求は初回の1回だけで足ります。支給要件を満たしている間は、2年目以降に書類を出す必要がありません。
継続して支給するかどうかは前年の所得にもとづいて判定され、その結果が毎年10月分(12月支給分)から1年間反映されます。
判定の結果として金額が動いた場合は「年金生活者支援給付金支給金額変更通知書」が、支給の対象外になった場合は「年金生活者支援給付金不該当通知書」が送られてきます。




