4. 申請の前に確認しておきたい注意点が3つある
特別障害者手当は所得による制限があり、生活の状況が変わると受給資格にも影響します。
4.1 本人だけでなく配偶者・扶養義務者の所得も判定される
所得制限の対象は、本人、配偶者、扶養義務者です。扶養義務者とは、生計を同じくする父母や兄弟姉妹などにあたります。
本人に収入がなくても、同居する家族の所得が限度額を超えていれば支給されません。限度額は扶養親族の人数で変わるので、市区町村が公表している所得制限基準の一覧で確認しておきましょう。
4.2 入院が3か月を超えると支給が止まる
在宅要件があるため、入院が3か月を超えた場合は支給の対象から外れます。
長期の入院が見込まれるときや、退院して在宅に戻るときは、そのたびに届出が必要です。届出をせずに受け取り続けると、あとから返還を求められることがあります。
4.3 障害者手帳の等級だけでは判定されない
障害者手帳が1級であっても、特別障害者手当の対象になるとは限りません。判定は手帳の等級ではなく、政令で定められた障害の程度と、常時特別な介護を必要とする状態かどうかで行われます。
申請には医師の診断書が必要になるため、かかりつけ医に相談したうえで窓口へ向かうと手続きが進みやすくなります。
なお厚生労働省の案内では、原爆被爆者の介護手当や公害健康被害の補償による障害補償費などを受けている場合、支給額が調整されるとされています。
5. 障害児福祉手当との違いを押さえておく
特別障害者手当と障害児福祉手当は、どちらも同じ法律にもとづく国の手当で、申請窓口も同じ市区町村の障害者福祉担当課です。違いは対象年齢と手当額にあります。
障害児福祉手当は20歳未満が対象で、令和8年度の月額は1万6560円です。特別障害者手当は20歳以上が対象で、月額は3万450円になります。
20歳を迎えるタイミングで手当が切り替わるため、障害児福祉手当を受け取っている家庭では、20歳が近づいた段階で特別障害者手当の要件を確認しておくと切れ目なく受け取れます。
6. まとめにかえて
特別障害者手当は、20歳以上で著しく重度の障害があり、日常生活において常時特別な介護を必要とする人に支給される国の手当です。令和8年度の月額は3万450円で、年額では36万5400円になります。
支給は年4回で、2月・5月・8月・11月にそれぞれ3か月分が振り込まれます。所得制限があり、3か月を超える入院や施設入所では対象外になる点は押さえておきましょう。
介護が必要になる時期は、世帯の収入が下がる時期と重なりやすいものです。使える制度を早めに把握しておくことと、就労収入があるうちに備えを進めておくことの両方が、家計を守るうえで欠かせません。
参考資料
和田 直子