在宅で重度の障害がある家族を介護していると、介護のために働く時間を削らざるを得ない場面が続きます。

こうした世帯を支える国の制度として特別障害者手当があり、令和8年度の月額は3万450円です。20歳以上で著しく重度の障害があり、日常生活で常時特別な介護を必要とする人が対象になります。

本記事では、特別障害者手当の対象になる条件と手当額、支給される月について解説していきます。

ココがポイント
  • 特別障害者手当は令和8年度の月額が3万450円である
  • 対象は20歳以上で著しく重度の障害があり、常時特別な介護を必要とする人
  • 3か月を超える入院や施設入所をしている場合は支給の対象にならない

1. そもそも「特別障害者手当」とは?在宅の重度障害者に月3万円台を支給する

特別障害者手当は、特別児童扶養手当等の支給に関する法律にもとづく国の手当です。精神または身体に著しく重度の障害があるため、日常生活において常時特別な介護を必要とする20歳以上の人に支給されます。

手当を受け取るのは介護している家族ではなく、障害のある本人です。障害によって必要になる特別な出費を補うことを目的としています。

年金とは別の制度で、申請の入口は年金事務所ではなく市区町村の障害者福祉担当課です。手帳の交付や年金の請求とは別の手続きになります。

2. 対象になるのはどんな人?条件は3つに分かれる

墨田区の案内より、特別障害者手当の支給対象を確認しましょう。

特別障害者手当の対象になる条件を3つに整理した図1/2

特別障害者手当の対象になる条件を3つに整理した図

出所:墨田区「特別障害者手当(国の制度)」を参考にLIMO編集部作成

2.1 20歳以上であること

対象は20歳以上の人です。20歳未満の場合は、同じく国の制度である障害児福祉手当が対象になります。

2.2 著しく重度の障害があること

特別障害者手当が対象とするのは、日常生活において常時特別な介護を必要とする状態です。

「常時特別な介護」という表現のとおり、障害者手帳の等級が1級であれば必ず該当するというものではありません。重複障害があるなど、障害の程度が特に重い場合が想定されており、判定は医師の診断書をもとに行われます。

2.3 在宅で生活していること

3つめは生活の場に関する要件です。3か月を超える入院をしている場合や、障害者支援施設などに入所している場合は対象になりません。

在宅で介護を受けている人を支える手当という位置づけのため、入院や入所の状況によって受給資格が変わります。

3. 手当はいくら?令和8年度は月3万450円

令和8年度の特別障害者手当の月額は3万450円です。手当額は物価の変動に応じて毎年度改定されます。

特別障害者手当の月額・支給回数・支給月・申請窓口をまとめた図2/2

特別障害者手当の月額・支給回数・支給月・申請窓口をまとめた図

出所:墨田区「特別障害者手当(国の制度)」を参考にLIMO編集部作成

支給の内容は次のとおりです。

  • 手当の月額:3万450円
  • 支給回数:年4回、3か月分をまとめて支給
  • 支給月と対象月分:5月に2月分から4月分、8月に5月分から7月分、11月に8月分から10月分、2月に11月分から翌年1月分

1回に振り込まれる額は3か月分にあたる9万1350円で、年額では36万5400円になります。介護に伴う出費を補う原資として、家計に対する影響は小さくありません。

和田 直子

ご家族の介護が始まると、介護をする側が働く時間を減らすことで世帯の収入も同時に下がる、という二重の変化が起こります。この局面で使える制度を知らないままだと、貯蓄の取り崩しだけで対応することになりがちです。

特別障害者手当は年額で36万円台になります。介護の体制を整える段階で、市区町村の窓口に手当の対象になるかを確認しておくことをおすすめします。