年金の通知書や通帳等を見て、保険料が差し引かれていることに気づいた方もいるかもしれません。

シニアの介護保険料と後期高齢者医療保険料は、年金額が年18万円以上であれば年金から差し引かれます。ただし全員が天引きになるわけではなく、納付書等で自分で納める人もいます。

この記事では、天引きになるかどうかの分かれ目と、天引きにならなかった場合の納め方を確認していきます。

1. 【介護保険料】年金から天引きされるしくみと2つの徴収方法

保険料の納め方には2つの方法があります。まずは呼び名から確認します。

1.1 特別徴収は年金から差し引かれる

特別徴収は、年金から保険料が差し引かれる方法です。年金支給日は年6回あるので、その度に年金の受給額から保険料が天引きされます。

手続きは要りません。年金の支払いを行う機関が保険料を差し引いて、市区町村や広域連合へ納める形になります。

1.2 普通徴収は自分で納める

普通徴収は、市町村から送付される納付書で、納期内に金融機関等で納める方法です。申請すれば口座振替も利用できます。

つまり同じ保険料でも、天引きされる人と、自分で納める人に分かれます。次にその分かれ目を見ていきます。

2. 介護保険料が天引きされるのは年金額が「年18万円」以上の人

分かれ目になるのは年金額です。金額の基準は介護保険料も後期高齢者医療保険料も同じです。

2.1 年18万円は月1万5000円にあたる

千葉市によると、介護保険料の普通徴収の対象になるのは、年金額が年額18万円(月額1万5000円)未満などのため特別徴収に該当しない人です。

裏を返すと、年金額が年18万円以上あれば特別徴収、つまり天引きが原則になります。後期高齢者医療保険料も同じ年18万円が基準です。

どの条件にあてはまると天引きになり、どの条件だと自分で納めることになるか1/3

介護保険料と後期高齢者医療保険料について、年18万円以上・18万円未満・保険料の合計が年金額の2分の1超・年度途中の資格取得の4条件ごとに特別徴収か普通徴収かを並べた表

出所:埼玉県後期高齢者医療広域連合「保険料の納め方」千葉市「年金受給者ですが、介護保険料の普通徴収について教えてください。」を参考にLIMO編集部作成

2.2 複数の年金の合計ではなく、1つの年金の額で見る

ここが誤解されやすいところです。埼玉県後期高齢者医療広域連合は、年18万円について「受給する複数の年金の合計額ではなく、特別徴収の対象として最優先される年金の額」と説明しています。

複数の年金を受け取っていて合計では18万円を超えていても、優先される年金の額が18万円に届かなければ天引きにはなりません。合計額で判断しないよう注意が必要です。

3. 年金額が18万円以上でも普通徴収になる場合がある

金額の基準を満たしていても、天引きにならないケースがあります。代表的なものが2つあります。

3.1 保険料の合計が年金額の2分の1を超えるとき

埼玉県後期高齢者医療広域連合によると、介護保険料額と後期高齢者医療保険料額との合計額が年金額の2分の1を超える場合は、普通徴収になります。

たとえば年金が年24万円で、介護保険料が年8万円、後期高齢者医療保険料が年5万円だとします。保険料の合計13万円は、年金額24万円の2分の1にあたる12万円を超えます。

保険料の合計が年金額の半分を超えると、どちらの保険料が天引きから外れるか2/3

年金24万円に対して介護保険料8万円と後期高齢者医療保険料5万円の合計13万円が2分の1の12万円を超え、後期高齢者医療保険料が普通徴収になることを示した図

出所:埼玉県後期高齢者医療広域連合「保険料の納め方」を参考にLIMO編集部作成

この場合に天引きから外れるのは後期高齢者医療保険料のほうです。介護保険料の天引きが先に決まり、そのうえで医療保険料を足すと半分を超えるかどうかを見るためです。

3.2 年度の途中で65歳や75歳になったとき

千葉市によると、年度の途中で65歳になった人や他の市町村から転入した人などは、年金額が年18万円以上であっても、一定の期間は普通徴収になります。

同市が挙げているのは、65歳になったとき、転入したとき、転出したとき、年度の途中で保険料段階が変わったとき、年金の種類が変わったとき、住民票の住所と年金保険者に届け出ている住所が変わったときの6つです。

いずれも一時的なもので、手続きが整えば特別徴収に切り替わります。

太田 彩子

役場で後期高齢者医療の保険料を担当していた頃、納付書が届いたという相談をよく受けました。

天引きだと思っていた方にとっては、急に納付書が来たように見えるためです。不明点があれば窓口で確認するようにしましょう。