3. 被保険者期間と納付済期間は別のもの
この統計を読むうえで、いちばん大事な区別です。
3.1 免除期間も被保険者期間に入る
国民年金の被保険者期間には、保険料を納めた期間だけでなく、免除や納付猶予を受けた期間も含まれます。したがって被保険者期間が40年あることと、保険料を40年分すべて納めていることは同じではありません。
老齢基礎年金の額は、納付済期間と免除期間の種類に応じて計算されます。全額免除の期間は、保険料を全額納付した場合の年金額の2分の1が反映されます。
3.2 満額かどうかは記録で確かめる
満額になるのは、保険料納付済期間が480月ある場合です。被保険者期間の長さだけでは判断できません。
自分の納付済期間が何月あるかは、ねんきん定期便やねんきんネットで確認できます。免除を受けた期間があれば、そこも記録に残っています。
4. 足りない期間を埋める方法がある
記録を見て足りないと分かったときの選択肢です。
4.1 10年以内なら追納できる
免除や納付猶予の承認を受けた期間の保険料は、10年以内であれば申し出により後から納付できます。これを追納といい、追納すれば老齢基礎年金の受給額を満額に近づけられます。
10年を過ぎると追納はできません。承認を受けた年度から数えますので、早めに確認しておきたいところです。
4.2 60歳以降の任意加入という手も
60歳までに納付済期間が480月に満たない場合、60歳以降に任意加入して期間を増やせる場合があります。分布で39年台に山があり、40年以上が15.1%にとどまっているのは、この手前で加入期間が終わっている人が多いことを示しています。
要件や手続きは市区町村の国民年金担当課、または年金事務所で確認できます。60歳が近づいたら、一度記録を見ておくことをおすすめします。
5. この数字を読むときの前提
統計として見るときの注意点も挙げておきます。
5.1 いま受給している人の記録である
この平均は、すでに老齢年金を受け取っている人の被保険者期間です。いま現役で働いている世代がこのとおりになるとは限りません。
女子の平均が男子より短いのも、その世代の働き方や制度の変遷が反映された結果です。第3号被保険者制度ができたのは昭和61年ですので、それ以前の期間の扱いも世代によって異なります。
5.2 厚生年金の期間とは別に数える
この統計は国民年金の被保険者期間です。会社員として厚生年金に加入していた期間は、国民年金の第2号被保険者期間として老齢基礎年金の計算に入ります。
自分の年金がいくらになるかは、1階と2階を合わせて見る必要があります。まずは記録を確認し、判断に迷うときは年金事務所に相談してみてください。
6. まとめにかえて
国民年金の老齢年金受給権者3345万4617人の平均被保険者期間は405月、年数では33年9か月でした。男子433月、女子385月で、差は48月にあたります。
被保険者期間が40年以上の人は15.1%、35年以上まで広げると57.0%です。1年ごとでは39年以上40年未満が12.4%で最も多くなっています。
ただし被保険者期間には免除期間なども含まれ、納付済期間とは一致しません。満額かどうかは自分の記録で確かめ、足りない期間があれば追納や任意加入について年金事務所に相談してみてください。
参考資料
村岸 理美