3. 公的年金だけで暮らす世帯はどれくらいいる?

「年金だけで生活できるのは一部の人だけ」——そう思われがちですが、実際のデータを見るとイメージが変わるかもしれません。白書によると、公的年金や恩給を受け取っている高齢者世帯のうち、その年金・恩給が家計の総所得を100%占めている世帯は決して少数派ではないのです。

公的年金・恩給の総所得に占める割合別世帯数の構成割合3/3

公的年金・恩給の総所得に占める割合別世帯数の構成割合

出所:内閣府「令和8年版高齢社会白書」図1-2-1-11

実に4割以上の高齢者世帯が、年金以外の収入をまったく持たずに暮らしています。さらに、総所得の6割以上を年金でまかなっている世帯まで合わせると、全体の約75%にのぼります。日本の高齢期の家計は、公的年金制度に驚くほど強く依存していると言えるでしょう。だからこそ、厚生年金の平均受給額がいくらなのかは、多くの人にとって「他人事ではない数字」なのです。

4. まとめにかえて

今回は、2026年度の公的年金の受給額の目安や、高齢者世帯の家計状況について解説しました。要点として、厚生年金の平均受給額は約15万円であること、そして多くの高齢者世帯が年金収入を中心に生活していることがデータから読み取れます。自分自身の年金見込額を知ることは、将来への漠然とした不安を安心に変える大切な作業です。無理のない範囲で、今日から少しずつ老後に向けた準備を始めてみてはいかがでしょうか。

年金制度は複雑に見えますが、「ねんきんネット」を活用すれば、スマートフォンからでも簡単に現在のご自身の状況が確認できます。私が元生保職員として多くのお客様と接してきた経験からも、早い段階から公的年金のベース額を把握し、不足する分を民間の保険や投資信託などで補う「自分に合ったバランス」を見つけることが大切だと感じています。まずは一度、ご自身の「年金見込額」をチェックすることから始めてみてくださいね。
村岸 理美

参考資料

村岸 理美