毎年8月に児童扶養手当の現況届の封筒が届きます。手続きを済ませ、次の支給を待つ。その繰り返しのなかで、意外と意識しないことがあります。
この手当には、終わりの日が決まっているということです。
しかも終わる時期は、子どもの学費がいちばん重くなる時期と重なります。今回はこども家庭庁の資料をもとに、手当がいつ終わるのか、そしてそのあとに何が用意されているのかを、順にみていきましょう。
- 児童扶養手当が受け取れるのは、18歳に達する日以後の最初の3月31日まで(障害児の場合は20歳未満)
- 高校等に就学中の児童がこの日を過ぎて手当を受けられなくなった場合、修学資金の限度額に児童扶養手当の額が加算される
- 母子父子寡婦福祉資金は12種類。無利子または年利1.0%で、貸付実績は件数・金額とも約9割が児童の修学資金関係
1. 手当が終わるのはいつか。「18歳に達する日以後の最初の3月31日」の意味
まず、終わりの日を正確に押さえます。こども家庭庁「児童扶養手当制度の概要」によると、支給の対象となるのは、原則18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある児童を監護する方です。
この書き方が、少し分かりにくいところだと思います。順に読み解いていきます。
まず「18歳に達する日」とは、18歳の誕生日のことです。次に「以後の最初の3月31日」は、その誕生日を迎えたあとに最初にやってくる3月31日を指します。
たとえば7月に18歳になった子どもの場合、その次に来る3月31日は翌年の3月31日です。つまり、18歳の誕生日でただちに終わるのではなく、その年度の末日までは対象になります。
多くの子どもにとっては、高校を卒業する年の3月31日がその日にあたります。手当は、子どもが高校を出るタイミングでいったん区切りを迎える設計になっている、ということです。
この考え方は、手当だけでなくほかの支援制度でも出てきます。年齢そのものではなく年度で区切る、というのが公的な制度でよく使われる書き方だからです。
いつまで受け取れるのかが分かれば、そこから逆算して準備を始められます。まずはお子さんの誕生日と、その次に来る3月31日を確かめてみてください。
2. 終わる時期は、学費がいちばん重くなる時期と重なる
手当が終わる3月31日は、子どもが高校を卒業する時期という方も多いもの。
そして進学するのであれば、その直前に入学金や授業料の納付が来ます。収入の一部が減る時期と、まとまった支出が出ていく時期が、ほぼ同じところに置かれている。
ただ、この重なりについては、制度の側も手当てを用意しています。
図の下段が、その仕組みです。母子父子寡婦福祉資金の「修学資金」には、次のような注記が置かれています。
高等学校、高等専門学校又は専修学校に就学する児童が18歳に達した日以後の最初の3月31日が終了したことにより児童扶養手当等の給付を受けることができなくなった場合、所定の額に児童扶養手当の額を加算した額とする、というものです。
つまり、手当が切れたことで生じる差額を、貸付けの限度額のほうで見ているということにもなります。
ただし、対象になる範囲は限られています。あくまで高等学校、高等専門学校、専修学校に就学している児童のケースです。
高等専門学校のように5年制の学校であれば、18歳を過ぎても在学が続きます。そうした場合に、手当が切れた分を補う形になっている、と読むのが正確です。大学に進学した場合まで一律に加算される、という意味ではありません。
