ヤマハ発動機は2026年8月に最新決算を発表したところ、株式市場で強く買われる事態となりました。株価はそれまでの上場来高値(1617.5円、2024年7月)を大幅に塗り替え、現在は1963円で取引されています(2026年8月25日終値)。
今回のヤマハ発動機株式の急伸は、改めて好調な業績が再評価されたものと考えられます。今期(2026年12月期)予想PERは決算公表前が12.9倍で、現在はむしろ11.2倍に低下しており、株価が急騰した後でも割高感は乏しい状況です。
ヤマハ発動機の株価は、これまで1000円~1200円前後の推移でしたが、今回の急騰で水準が大きく切り上がっています。契機となった決算の内容を確認しましょう。
※決算情報・業績等は執筆時点での情報にもとづいています。
- ヤマハ発動機の最新決算が好調だった理由と通期見通し
- 現在の配当金予想と、2026年から変更された株主優待の条件
- 二輪・マリン事業に次ぐ「第3の柱」と期待される新事業の動向
1. ヤマハ発動機(7272)2Q決算を発表!なぜ投資家は「買い」に動いた?
ヤマハ発動機が2026年8月に発表した決算は今期(2026年12月期)の中間決算です。上期までの実績と、通期の見通しを確認しましょう。
1.1 2026年上期実績:二輪の販売好調、ベトナムで2.1倍、インド1.4倍 最高業績
- 2026年上期は売上+17.2%、営業益+88.6%で最高業績
- 中核の二輪事業が好調で増収増益をけん引、マリン事業も堅調
【ヤマハ発動機の業績(2026年12月期第2四半期)】
- 売上収益:1兆4980億円(前年同期比+17.2%、対通期予想進捗率51.7%)
- 営業利益:1575億円(同+88.6%、61.0%)
- 純利益:1139億円(同+114.7%、67.0%)
※通期予想は2026年12月期第2四半期時点
今期の第2四半期累計の業績は、上期として過去最高となりました。中核の二輪事業がアセアンやインドで伸び、出荷台数はベトナムが前年比2.1倍、インドは同1.4倍に成長し、流通在庫も消化が進みました。一方、マリン事業の船外機は出荷台数が横ばいながら堅調で、コスト削減も発現して増益を確保し、業績に貢献しています。
1.2 2026年通期予想:営業益1.4倍から2倍へ上方修正 オフロード四輪事業は一部撤退へ
- 2026年通期は上方修正、売上+6.5%→14.4%、営業益+42.2%→105.7%へ上振れ
- バギー事業は一部撤退を決定、費用計上も全体の利益快走、V字回復
【ヤマハ発動機の業績見通し(2026年12月期)】
- 売上収益:2兆9000億円(前期比+14.4%、前回予想比+2000億円)
- 営業利益:2600億円(同+105.7%、+800億円)
- 純利益:1700億円(同+955.3%、+700億円)
※2026年12月期第2四半期の予想(前回予想2025年12月期)
第2四半期決算では通期見通しの上方修正も発表されました。売上は期首予想比で2000億円上振れの2兆9000億円、営業利益は同800億円上振れの2600億円へそれぞれ増額されています。2025円12月期は、コスト増などから2期連続の減益となっていましたが、一転してV字回復が見込まれる状況です。
一方、苦戦していたオフロード四輪事業は構造改革に着手します。四輪バギーやゴルフカーは継続するも、レジャー用のROV(レクリエーショナル・オフハイウェイ・ビークル)はOEM(製造受託)へ移行し、自社生産の終了を決定しました。修正後の業績予想には、関連する一過性費用120億円が含まれています。
もっとも、ROVの構造改革費を考慮しても、先述のとおり今期の業績は大きく成長する計画です。営業利益はこれまで2023年12月期の2439億円が最高でしたが、今回の上方修正で大幅に更新する見通しとなりました。また、予想純利益も過去最高(2022年12月期:1744億円)迫る水準です。

