年金は受け取る額がそのまま手元に残るわけではなく、一定額を超えると所得税が源泉徴収されます。
日本年金機構によると、令和8年度税制改正で、公的年金の源泉徴収の対象とならない年金額が現行の205万円未満から214万円未満に引き上げられました。65歳未満は155万円未満から164万円未満になります。
この記事では、厚生年金の平均月額と受給額の分布を確認したうえで、このラインが受給者のどのあたりに引かれているのかを見ていきます。
- 厚生年金の平均月額は15万289円、国民年金は5万9310円
- 月10万円未満は305万3974人で19.0%、月20万円以上は302万7673人で18.8%とほぼ同じ大きさ
- 令和8年度税制改正で源泉徴収の対象とならない年金額が214万円未満に引き上げられた
なお、年金から差し引かれるお金については、下記の記事より一部を引用・参照しています。
1. 厚生年金の平均月額は15万289円
まず、いまの受給者がどれくらい受け取っているのかを確認します。厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」の数字です。
1.1 男女で5万8554円の差がある
厚生年金(国民年金部分を含む)の平均年金月額は15万289円でした。男女別に見ると男性16万9967円、女性11万1413円で、その差は5万8554円になります。
厚生年金は現役時代の報酬と加入期間で金額が決まるため、働き方の違いがそのまま差として出ます。
1.2 国民年金は5万9310円で男女差は小さい
国民年金(老齢基礎年金)の平均年金月額は5万9310円です。男性6万1595円、女性5万7582円で、差は4013円にとどまります。
国民年金の保険料は収入にかかわらず一律のため、納めた期間の長さだけが金額に反映されるしくみです。厚生年金ほど大きな差は出にくくなっています。
2. 月10万円未満は19.0%、月20万円以上は18.8%
次に、平均のまわりに受給者がどう散らばっているのかを見ます。厚生年金の受給権者は合計1608万5696人です。
2.1 分布の両端はほぼ同じ大きさになる
月10万円未満は305万3974人で、全体の19.0%にあたります。一方の月20万円以上は302万7673人で18.8%でした。人数にすると2万6301人の違いしかありません。
平均の15万289円をはさんで、低いほうにも高いほうにも同じくらいの人数がいることになります。
2.2 いちばん人数が多いのは10万円台前半
1万円ごとに区切って人数がもっとも多いのは、10万円以上11万円未満の111万2828人です。次いで11万円以上12万円未満の107万1485人、17万円以上18万円未満の103万1951人と続きます。
山がひとつではなく、10万円台前半と17万円前後の2か所にふくらみがある形になっています。
平均だけを見ていると気づきにくいのですが、税金や保険料のラインは分布のどこに引かれているかで意味が変わります。自分がどのあたりにいるかを先に押さえておきたいところです。

