3. 見込額が去年より減ることもある
金額が前年を下回っていて驚く方もいます。
3.1 加入状況が変われば見込額も動く
日本年金機構は、加入状況の変化により前年より少ない金額で表示されることがあるとしています。厚生年金保険に加入している人であれば、昨年から標準報酬月額が下がった場合や、昨年から賞与の支給がなかった場合などが当てはまります。
見込額は最終月時点の制度に60歳まで加入し続ける前提で計算されますので、その最終月の状態が下がっていれば、残りの期間も下がった水準で見積もられることになります。役職定年などで報酬が変わった年は、ここが動きます。
3.2 給付水準そのものも年度で変わる
もうひとつの理由が給付水準です。ねんきん定期便に表示している年金額の計算には、作成年月日の属する年度の年金給付水準が適用されます。
年金給付水準は、前年の全国消費者物価指数を本年度の年金額に反映させること、つまり物価スライドにより決められるため、年度ごとに異なります。給付水準が引き下げられた年度には、加入状況が変わっていなくても見込額が前年より少なくなることがあります。
4. 記録の確認は封書が届いた年に
全期間の月別状況が載るのは、封書の年だけです。
4.1 見るのは空白と勤務先の並び
月別状況には、いつどの制度に加入していたかが月単位で並びます。転職の合間に国民年金の手続きをしないままにした時期があると、その部分が納付済みになっていないことがあります。
年金加入履歴には勤務先の名称と加入期間が並びますので、記憶にある勤務先がすべて載っているかを照らし合わせます。旧姓で加入していた期間がある場合も、確認しておきたいところです。
4.2 もれや誤りがあれば年金事務所へ
記録にもれや誤りがあった場合は、年金事務所に問い合わせます。ねんきん定期便が届かない場合や内容についての質問は、ねんきん定期便・ねんきんネット専用番号でも受け付けています。
共済組合等の記録についての質問は、各共済組合等が窓口になります。国家公務員共済組合連合会や地方公務員共済組合、私立学校教職員共済など、加入していた先に確認することになります。
5. 封書を待たずに確かめる方法もある
59歳まで待つ必要はありません。
5.1 ねんきんネットなら随時見られる
ねんきんネットは、インターネットを通じてパソコンやスマートフォンから年金記録を確認できるサービスです。自分でさまざまな条件を設定して、将来受け取る老齢年金の見込額を試算することもできます。
電子版ねんきん定期便も利用でき、パソコンにダウンロードして保存しておけます。60歳以降も働く場合の見込みを知りたいときは、条件を変えて試算するほうが実態に近づきます。
5.2 二次元コードから簡易試算もできる
ねんきん定期便に記載されている二次元コードからは、厚生労働省の公的年金シミュレーターにアクセスできます。ユーザー登録なしで将来の年金額を簡易に試算でき、試算結果のデータを手元に保存することもできます。
ただし試算はあくまで目安です。実際の受給額や手続きについて判断に迷うときは、年金事務所で相談してみてください。
6. まとめにかえて
ねんきん定期便は年齢によって形式が変わり、封書で届くのは35歳・45歳・59歳の3回です。59歳の封書には保険料納付額、年金加入期間、老齢年金の種類と見込額、年金加入履歴、全期間の月別状況が載ります。
50歳以上の見込額は、最終月時点の年金制度に60歳到達の前月まで継続して加入し保険料を納めると仮定して計算されています。60歳以降も働くのであれば、実際の額はこれより増えることになります。
見込額が前年より減る年もありますが、標準報酬月額の変化や給付水準の変化によるものです。届いた封書は開けて記録を確かめ、気になる点があれば年金事務所に問い合わせてみてください。
参考資料
- 日本年金機構「大切なお知らせ、「ねんきん定期便」をお届けしています」
- 日本年金機構「ねんきん定期便に表示されている年金額が昨年の見込額より少ないのですが、どうしてですか。」
- 日本年金機構「ねんきん定期便関係」
村岸 理美