厚生労働省は令和3年10月から、マイナ保険証によるオンライン資格確認を全国で運用開始し、高額療養費の限度額適用認定証の事前申請が原則不要となっています。ただし、令和8年8月改定の年間上限や複数医療機関の合算では、認定証や償還払いの手続きが必要になるケースが残ります。
「認定証がないと医療費を一旦全額立て替える必要がある」と思っている方も少なくないのではないでしょうか。実際にはマイナ保険証を持参すれば原則不要ですが、例外4類型を知っておくと医療費の負担計算がスムーズです。
この記事では、限度額適用認定証とマイナ保険証の関係、そして原則不要となった今も残る例外4類型を、厚生労働省の一次資料をもとに整理していきます。
- 令和3年10月以降、マイナ保険証があれば限度額適用認定証の事前申請は原則不要
- 4つの例外(入院時の食事代の減額/90日超の長期入院/医療機関のオンライン資格確認未導入/国民健康保険料の滞納)で認定証の申請が必要
- 令和8年8月の年間上限改定を含め、医療費が高額になる可能性がある方は加入医療保険の窓口で最新の運用を確認する
1. 高額療養費制度とマイナ保険証の基本
まずは制度の原則を確認していきましょう。高額療養費制度はひと月の医療費が一定額を超えた場合に払い戻される制度です。マイナ保険証があれば、医療費が高額になっても限度額適用認定証の事前申請が原則不要となる仕組みです。
1.1 令和3年10月以降の運用
マイナ保険証を医療機関の窓口で提示することで、オンライン資格確認システムを通じて、自己負担限度額の情報が医療機関に自動的に共有される仕組みが令和3年10月から運用されています。認定証を事前に申請して提示する必要がなくなり、窓口での支払いも自己負担限度額までに抑えられます。
これにより、高額療養費制度の負担軽減が受けやすくなりました。従来のように「認定証がないと一旦全額立て替える」という状況は、マイナ保険証があれば原則発生しません。
1.2 従来の限度額適用認定証との違い
従来は、医療費が高額になる見込みの方が加入医療保険(協会けんぽ・組合健保・国民健康保険・後期高齢者医療など)に申請し、認定証を発行してもらう必要がありました。認定証を医療機関の窓口で提示することで、自己負担限度額までの支払いに抑える運用でした。
マイナ保険証の導入後は、この事前申請ステップが省略される流れです。なお、紙の健康保険証は令和6年12月2日で新規発行が終了しており、代わりに交付される資格確認書に自己負担限度額の区分が記載されていれば、認定証と同じように窓口で自動的に適用されます。医療費の見通しが立ちにくい急な入院・手術でも、経済的な不安を減らせる制度改正といえます。
