りんご、みかん、バナナ、いちご。毎月の食費のなかで、果物にどれくらいお金を使っているでしょうか。健康によいとわかっていても、つい買わずに済ませてしまう。そんな人も少なくないのではないでしょうか。

家計調査のデータから、食費のなかの果物支出を年代別に確認していきます。

果物の食費、平均はいくら?
  • 1世帯あたりの「果物」の平均支出金額は1か月2775円
  • 年代別で最多は70歳以上の3855円
  • 最少の29歳以下(492円)とは約7.8倍の差

1. 果物の食費は月2775円

統計局が発表している「家計調査 / 家計収支編 総世帯 詳細結果表」「<用途分類>1世帯当たり1か月間の収入と支出」(2025年調査)によると、1世帯あたりの「果物」に対する平均支出金額は、1か月あたり2775円という結果になりました。

年間にすると約3万3300円です。

2. 食費のなかで果物はどのくらいの位置?

同じ家計調査から、他の主要な食品カテゴリーと比べてみましょう(いずれも総世帯・2025年)。

  • 野菜・海藻:7445円
  • 乳卵類:3534円
  • 果物:2775円
  • パン:2242円

果物は、野菜・海藻や乳卵類と比べると支出額は小さいものの、パンより多い水準です。食費のなかでは中位からやや小さめの部類に入ります。

3. 年代別では70歳以上が最多の3855円

世帯主の年齢別の結果は以下のとおりです。

  • 29歳以下:492円
  • 30~39歳:1468円
  • 40~49歳:2094円
  • 50~59歳:2287円
  • 60~69歳:3043円
  • 70歳以上:3855円

若年世帯ほど低くなる傾向があることがわかります。

そして、70歳以上の高齢世帯の支出額が最も高いのも特筆すべき点といえるかもしれません。2番目に高い60〜69歳の層と比べても812円ほどの差があります。

最少の29歳以下492円と最多の70歳以上3855円では、約7.8倍の開きがあります。

4. 他の食費にはない「きれいな右肩上がり」

この年代別データで際立っているのは、年齢とともに一貫して増えていくという点です。

たとえば乳卵類は、40~49歳の4114円をピークに、それより上の年代ではゆるやかに下がる山型の推移を示します(29歳以下1077円、30~39歳2997円、40~49歳4114円、50~59歳3491円、60~69歳3761円、70歳以上3796円)。多くの食品カテゴリーは、働き盛りの世代や子育て世代でピークを迎え、70歳以上ではやや下がる傾向があります。

果物は例外的に、29歳以下から70歳以上まで途切れることなく増加し続けています。

世帯人員の変化を考えれば、これは不思議な結果です。子どもが独立して世帯人数が減っているはずの70歳以上で、支出が最大になっているのですから。

つまり、1人あたりの果物購入額が、年齢とともにはっきり増えているということになります。

5. なぜ若い世代は果物を買わないのか

29歳以下の492円という数字は、他の年代と比べて極端に低い水準です。月に換算すると、りんご数個分にもなりません。

背景として、いくつかの要因が考えられます。

まず、価格に対する感覚です。果物は単価が高く、しかも日持ちしません。予算が限られていれば、後回しになりやすい食品といえます。

次に、手間の問題です。皮をむく、切る、種を取るといった一手間が必要な果物は、忙しい生活のなかでは選ばれにくくなります。

そして、外食や中食の比率の高さです。家庭で食べる機会そのものが少なければ、購入額も下がります。

一方、70歳以上で支出が最も多いのは、時間に余裕があること、健康を意識していること、そして果物を食後や来客時に供する習慣が根づいていることなどが背景にあるのかもしれません。

6. 果物を取り入れやすくするには

果物の摂取は健康面で推奨されることが多い一方、食費のなかでは削られやすい費目でもあります。

無理なく取り入れるなら、次のような工夫が考えられます。

  • 旬のものを選ぶ(同じ果物でも旬は安く、味もよい)
  • バナナやみかんなど、皮をむくだけで食べられるものを選ぶ
  • 冷凍果物を活用する(保存がきき、廃棄が出にくい)
  • カットフルーツは割高だが、廃棄を考えれば結果的に無駄が少ない場合もある

月2775円という平均は、1日あたりにすれば約92円です。この水準であれば、無理のない範囲で取り入れられる家庭も多いのではないでしょうか。

7. 価格変動の大きさにも注意

果物は、天候の影響を強く受ける農産物です。台風や長雨、猛暑によって収穫量が変動すれば、価格は大きく動きます。

近年は、猛暑による品質低下や、生産者の高齢化による作付面積の減少も指摘されています。

支出額が変わらなくても、買える量が減っているという可能性もあります。金額だけでなく、実際に食卓に並ぶ量にも目を向けてみるとよいでしょう。

8. よくある質問

8.1 果物の食費(支出)の平均はいくらですか?

総務省「家計調査」(2025年)によると、1世帯あたりの果物への支出は1か月あたり平均2775円です。年代別では29歳以下が492円ともっとも少なく、70歳以上は3855円ともっとも多くなっています。

8.2 なぜ若い世代ほど果物の支出が少ないのですか?

果物は単価が高く日持ちしにくいこと、皮をむくなどの手間がかかること、外食・中食の比率が高いことなどが背景にあると考えられます。

8.3 食費のなかで果物の割合を増やすにはどうすればいいですか?

旬のものを選ぶ、皮をむくだけで食べられる果物を選ぶ、冷凍果物を活用するといった工夫で、無理なく取り入れやすくなります。

9. まとめにかえて

今回は、家計調査から食費のなかの果物支出を確認しました。

  • 1世帯あたりの平均支出金額は1か月2775円
  • 年代別で最多は70歳以上の3855円
  • 最少は29歳以下の492円で、約7.8倍の差
  • 年齢とともに一貫して増える珍しい推移

自分の年代の平均と比べてみると、食卓のバランスを見直すきっかけになるかもしれません。

参考資料

LIMO編集部