3. 窓口ではどんなやりとりになるのか
自治体で国民健康保険と後期高齢者医療の保険料の計算を担当していた頃は、以下の相談を特に多く受けていました。
3.1 「計算が間違っているのでは」という相談が多かった
窓口に来られる方の多くは、まず金額そのものに驚いています。「去年より急に上がった」「計算が間違っているのではないか」という切り出し方が多かったように思います。
実際に計算根拠をお見せすると、前年の所得が上がっていたり、世帯の人数が変わっていたりと、理由がはっきりすることがほとんどでした。納得はされても、払える額かどうかは別の問題です。そこから減免や分割の相談に進むという流れになります。
3.2 早く来た人ほど選べる手が多かった
印象に残っているのは、相談のタイミングで打てる手が変わることです。納期限が来る前に来られた方には、納付計画を一緒に組む余地がありました。
一方で、督促が重なってから来られた場合は、選べる方法が狭まります。放置していると滞納処分に進むこともありますので、払えないと分かった時点で窓口に相談することがとても大切です。
4. 相談に行くときに確認しておきたいこと
窓口に行く前に、手元で揃えておくと話が早く進むものがあります。
4.1 持っていくもの
保険料の通知書と、収入が下がったことが分かる書類です。離職の場合は雇用保険受給資格者証など、離職理由が分かるものが必要になります。特定受給資格者や特定理由離職者にあたるかどうかは、この書類で確認されます。
災害や病気による減免を相談する場合は、その事情が分かる書類も添えることになります。何が必要かは市区町村によって違いますので、事前に電話で確認しておくと二度手間になりません。
4.2 聞いておきたい3つのこと
1つ目は、自分の世帯が軽減の対象になっているかどうかです。すでに7割・5割・2割のいずれかが適用されている場合、通知書にその旨が記載されています。
2つ目は、減免や徴収猶予の対象になる事情に当てはまるかどうか。3つ目は、申請の期限です。減免には申請できる期間が定められていることがありますので、そこは必ず聞いておきたいところです。
4.3 保険料そのものは上がり続けている
なお、負担の水準そのものについても押さえておきたいところです。この点について、LIMOの記事「【2026年度の国民健康保険料】年間上限は110万円へ、さらに新設の「子ども・子育て支援金分」で総額113万円の人も!元自治体職員が解説」から要点を引用しておきます。
賦課限度額は段階的な引き上げが続いており、令和3年度の99万円から令和8年度の110万円まで、5年間でおよそ11万円増えました。
出所:【2026年度の国民健康保険料】年間上限は110万円へ、さらに新設の「子ども・子育て支援金分」で総額113万円の人も!元自治体職員が解説
5. まとめにかえて
国民健康保険料には、所得が基準を下回る世帯の均等割・平等割を7割・5割・2割減額する軽減と、災害などの事情による減免・徴収猶予があります。軽減は原則自動、減免と徴収猶予は申請が必要です。
倒産や解雇などで離職した場合は、前年の給与所得を100分の30として計算する軽減措置があります。対象は雇用保険の特定受給資格者と特定理由離職者です。
制度の名前も要件も市区町村の条例で細かく決められていますので、当てはまるかどうかは一人ひとり変わります。まずは通知書を持って、お住まいの市区町村の国民健康保険の窓口に相談してみてください。
参考資料
太田 彩子