3. 住宅ローンを返している世代の家計はどうなっているか
住宅を目的にした借入が多いのは30歳代から50歳代でした。その年代の家計が毎月どうなっているかを見ておきます。
3.1 40歳代の家計収支は月22万5111円
総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2025年(令和7年)平均結果の概要」から、二人以上世帯のうち勤労者世帯を世帯主の年齢階級別に見ます。
40歳未満は実収入64万5562円、消費支出30万1216円、税や社会保険料などの非消費支出10万4025円で、家計収支は24万321円です。40歳代は実収入71万3746円、消費支出35万3622円、非消費支出13万5013円で、家計収支は22万5111円になります。
50歳代は実収入71万8283円、消費支出37万4940円、非消費支出14万8418円で、家計収支は19万4925円です。
3.2 収入は増えるが、出ていく分も増える
年代が上がるにつれて実収入は増えますが、消費支出も非消費支出も同時に増えています。その結果、家計収支は40歳未満の24万321円から50歳代の19万4925円へ、5万円近く縮んでいます。
住宅を目的にした借入の割合がもっとも高いのは40歳代でした。この年代は収入も支出も伸びている途中で、そこに住宅ローンの返済が乗っている構図になります。
なお、この数字はあくまで平均です。住宅ローンを組んでいる世帯とそうでない世帯が混ざっているため、返済がある世帯の実感とは差が出ます。
4. 目的で見ると、必要な備えが変わる
借入の目的を年代とあわせて見ると、家計の課題が年代ごとに違うことが分かります。
4.1 住宅は完済年齢、生活資金は収支の見直し
住宅を目的にした借入は、返済が長期にわたります。40歳代でピークを迎えるということは、完済予定年齢が定年後にかかる世帯も出てくるということです。
一方、70歳代で21.9%を占める日常の生活資金の借入は、性格が違います。毎月の収支が足りていない状態が続いていることを示すので、返済計画より先に収支そのものを見直す必要があります。
4.2 老後の家計は取り崩しが前提になる
この点について、LIMOの記事「【最新データ】老後の「ふつう」が分かる!65歳以上の平均貯蓄額と年金月額は?老後夫婦のリアルな生活費と家計収支を解説」から要点を引用しておきます。
このデータはあくまで平均値であり、実際には急な医療費や介護費用が発生することも考えられます。老後の資金計画を立てる際の参考として捉えるのがよいでしょう。
出所:【最新データ】老後の「ふつう」が分かる!65歳以上の平均貯蓄額と年金月額は?老後夫婦のリアルな生活費と家計収支を解説
5. まとめにかえて
借入金がある二人以上世帯937世帯のうち、借入の目的でもっとも多いのは住宅の48.1%でした。次いで日常の生活資金17.6%、耐久消費財の購入資金15.6%と続きます。
年代別に住宅を挙げた割合を見ると、30歳代50.6%、40歳代54.8%、50歳代46.9%、60歳代45.9%、70歳代34.2%。ピークは40歳代でした。
住宅を目的にした借入が多い40歳代の家計収支は月22万5111円で、50歳代では19万4925円まで縮みます。
完済予定年齢が定年後にかかるかどうかを、いまの収支と合わせて一度確かめてみてください。
参考資料
中本 智恵