住宅ローンというと家を買うための借入ですが、家計が抱えている借金は住宅だけではありません。
金融経済教育推進機構(J-FLEC)「家計の金融行動に関する世論調査(2025年)」によると、借入金がある二人以上世帯937世帯のうち、借入の目的に住宅を挙げたのは48.1%でした。裏を返せば、半数以上は住宅以外の目的でも借りていることになります。
この記事では、借入の目的を割合の大きい順に確認したうえで、世帯主の年代によってどう変わるのかを見ていきます。
- 借入の目的でもっとも多いのは住宅の48.1%。次いで日常の生活資金17.6%、耐久消費財15.6%
- 住宅を挙げた割合は40歳代の54.8%がピークで、70歳代では34.2%まで下がる
- 20歳代は住宅より耐久消費財が34.7%と高く、70歳代は日常の生活資金が21.9%まで上がる
なお、住宅ローンと定年後の家計に関する詳しい解説は、下記の記事より一部を引用・参照しています。
1. 借入の目的でもっとも多いのは住宅の48.1%
まず、何のために借りているのかを見ていきます。この設問は3つまでの複数回答なので、合計は100%になりません。
1.1 住宅が突出し、次は日常の生活資金
借入金がある二人以上世帯937世帯のうち、住宅の取得または増改築などの資金を挙げたのは451世帯で48.1%でした。2番目は日常の生活資金の165世帯で17.6%、3番目は耐久消費財の購入資金の146世帯で15.6%です。
以下、その他が12.4%、こどもの教育・結婚資金が9.1%、医療費や災害復旧資金が7.9%と続きます。旅行・レジャーの資金と土地・建物等の実物資産への投資資金がともに7.3%、株式等金融資産への投資資金が3.0%、相続税対策の資金が0.4%でした。
1.2 住宅と2位のあいだに大きな開きがある
住宅の451世帯に対し、2番目の日常の生活資金は165世帯です。3倍近い差があり、住宅が突出していることが分かります。
一方で、日常の生活資金が17.6%を占めている点も見ておきたいところです。生活費が足りずに借りている世帯が、借入金がある世帯の6分の1ほどいるということになります。
2. 住宅を挙げる割合は40歳代がピーク
次に、世帯主の年代によって目的がどう変わるかを見ます。
2.1 30歳代から60歳代までは4割から5割台
住宅を挙げた割合は、20歳代36.7%、30歳代50.6%、40歳代54.8%、50歳代46.9%、60歳代45.9%、70歳代34.2%でした。40歳代の54.8%がもっとも高くなっています。
30歳代で5割を超え、40歳代でピークを迎えたあと、50歳代・60歳代は4割台で推移します。住宅を取得する時期と、その返済が続く期間がそのまま表れている形です。
2.2 両端では目的が入れ替わる
20歳代と70歳代では、住宅以外の目的が目立ちます。20歳代は耐久消費財の購入資金が34.7%で、住宅の36.7%と並ぶ水準です。こどもの教育・結婚資金も18.4%と全年代でもっとも高くなっています。
70歳代は日常の生活資金が21.9%、土地・建物等の実物資産への投資資金が13.7%です。住宅の割合が下がる一方で、生活費のための借入が増えています。
住宅ローンは残高の大きさに目が行きますが、同じ世帯が何のために借りているかまで見ると、家計の輪郭が変わって見えてきます。

