4. 申請の前に押さえておきたい注意点が3つある
住居確保給付金は要件を満たせば受け取れる制度ですが、受給中に守るべき条件や、期間の考え方に注意が必要です。
4.1 求職活動を続けることが原則として求められる
住居確保給付金は、再就職に向けた活動を行うことを前提とした給付金です。
厚生労働省の生活支援特設ウェブサイトでは、自立相談支援機関の面接などを月4回以上、公共職業安定所(ハローワーク)への求職申込みと職業相談を月2回以上、企業などへの応募・面接を週1回以上とする活動要件が示されています。
受給が決まったあとも活動状況の報告が必要になるため、申請時に窓口で確認しておきましょう。
4.2 支給期間は原則3か月間で、延長は2回まで
支給期間は原則3か月間です。就職活動を誠実に行っているなど一定の条件を満たす場合に、3か月ごとの延長が2回まで認められ、最長で9か月間となります。
はじめから9か月間受け取れる制度ではない点は押さえておきたいところです。3か月という区切りを前提に、就職活動や家計の見直しの計画を立てておくと動きやすくなります。
4.3 上限額と基準額は住む市区町村で変わる
記事内で紹介した金額は文京区の例です。支給上限額・基準額・預貯金の上限額は、いずれも市区町村ごとに定められています。
同じ家賃・同じ収入でも、住んでいる地域によって受け取れる額や対象になるかどうかが変わる場合があります。インターネットで見た他自治体の金額をそのまま当てはめず、自分の住む自治体の数字で確認することが大切です。
5. 家賃を滞納する前に相談したほうが動きやすい
家計の相談では、家賃の滞納が始まってから相談に来られるケースが少なくありません。
住居確保給付金は貸主へ直接支払われる仕組みなので、滞納が続いて退去を求められた段階よりも、支払いが厳しくなりそうだと気づいた段階で申請したほうが、いまの住まいを維持しやすくなります。
また、自治体によっては転居費用の補助を住居確保給付金とあわせて案内している場合もあります。文京区も家賃補助と転居費用補助の両方を用意しているので、住み替えを含めて相談するという選択肢もあります。
6. まとめにかえて
住居確保給付金は、離職や収入減で家賃の支払いが難しくなったときに、家賃相当額を自治体が家主へ直接支払う制度です。
対象になるのは、離職・廃業から2年以内の人や、個人の責任によらず収入を得る機会が同程度まで減った人で、世帯の収入と預貯金にも要件があります。支給期間は原則3か月間、延長は2回までで最長9か月間です。
制度に頼りきりにするのではなく、生活費の何か月分を手元に置いておくかという備えを、収入があるうちに考えておくことも欠かせません。そのうえで、いざ収入が減ったときには使える制度があることを知っておくと、判断の幅が広がります。
参考資料
和田 直子