FANUC(ファナック)は、CNC装置と産業用ロボットで世界トップシェアを誇る精密機械メーカーです。
「ファナックで働くと、実際どれくらいの年収が得られるのか」と気になっていませんか?
最新の有価証券報告書によると、同社(提出会社単体)の平均年間給与は1144万4000円で、前事業年度比1.7%減となっています。
ただし、この数字は提出会社単体の集計であり、1万人を超えるグループ全体の給与水準を直接示すものではありません。
本記事では、有価証券報告書の最新データをもとに、平均給与・平均年齢・勤続年数から連結1万人超の従業員構成まで詳しく解説します。
読むことで、精密機械・ロボット業界への就職・転職を検討する際の待遇面での判断材料が得られます。
- 平均年間給与1144万4000円、前期比1.7%減の実態:提出会社単体の平均年間給与は1144万4000円。従業員数は4842名まで増加しており、若手採用の拡大が平均値を押し下げている可能性がある。
- 連結1万40名の従業員構成:連結従業員数は1万40名で、提出会社単体(4842名)の2倍を超える規模。海外拠点を含むグローバルな生産・サービス体制の広がりを反映している。
- 平均勤続年数15.3年の安定した人員構成:平均年齢40.0歳、平均勤続年数15.3年と、山梨県忍野村の本社地区に技術者を集約する体制のもと、腰を据えて働く社員が多いことがうかがえる。
1. ファナックの平均年間給与はいくらか
ファナック(提出会社)の2026年3月31日時点での平均年間給与は1144万4000円です。
前事業年度比では1.7%の減少となっています。
従業員の平均年齢は40.0歳、平均勤続年数は15.3年です。
2. ファナックの従業員数は何人か
有価証券報告書によれば、提出会社(単体)の従業員数は2026年3月31日時点で4842名です。
このほか、臨時従業員(平均人員)が1160名在籍しています。
一方、連結の従業員数は1万40名にのぼります。
連結の臨時従業員(平均人員)は1682名です。
提出会社の従業員数は、直近5年間で一貫して増加を続けています。
2022年3月期の4257名から2026年3月期の4842名まで、5年間で585名増加しました。
この間、臨時従業員数はおおむね減少傾向にあり、正社員化が進んでいることがうかがえます。
ファナックグループは、CNCシステムを手がけるFA部門、産業用ロボットを手がけるロボット部門、ロボドリルなどを手がけるロボマシン部門の3本柱で構成されています。
単一セグメントの事業のため、部門別の従業員数は開示されていません。
3. 人的資本投資と処遇改善に向けた取り組み
ファナックは、人材を技術革新と価値創造の原動力となる人的財産と位置づけ、人的資本への投資を積極化しています。
具体策として、自らの成長プランを策定する「若手社員研修」や、専門領域を追求する「中堅社員研修」を実施しています。
また、社員が新たな仕事に挑戦できる「社内公募制度」や、上司と対話する「1on1面談」も導入しています。
ダイバーシティ推進では、女性正社員比率10%、女性幹部社員比率5%(2030年度まで)を目標に掲げています。
2026年3月期時点の実績は、女性正社員比率8.1%、女性幹部社員比率2.8%です。
男性社員の育児休業取得率は94.3%に達しており、仕事と家庭の両立支援も進められています。
経験者採用にも力を入れており、2026年3月末時点で正社員に占める経験者採用者の割合は約4分の1となっています。
こうした人的資本への投資の広がりが、今後の処遇改善にもつながっていくと見られます。
4. まとめにかえて
年収や給与といった金銭面での条件は、仕事をする人にとって誰もが気になる要素ではないでしょうか。
ただし、単体の平均給与だけを見て一喜一憂するのではなく、従業員数の推移や人的資本投資の動きもあわせて確認することが大切です。
特にファナックのように従業員数が大きく増加している企業では、平均値の変動を人員構成の変化とあわせて捉える視点が欠かせません。
こうしたデータが、就職活動や転職活動の参考になれば幸いです。
4.1 【注意点】有価証券報告書における年間平均給与及び従業員数について
従業員数は就業人員であり、臨時従業員数は外数で記載しています。
なお、事業の部門別に区分することは困難なため区分していません。
平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでいます。
4.2 【ご参考】有価証券報告書とは
日本取引所グループによれば、金融商品取引法に基づく法定開示として、財務内容や事業・営業の概要を記した有価証券報告書を各地財務局に提出することが上場企業に義務付けられており、その内容は金融庁のEDINETで誰でも閲覧できるとされています。
有価証券報告書は、原則として事業年度経過後3カ月以内に提出することが求められています。
5. 本記事の監修を終えて:新NISAで資産運用を行う元FP会社職員の監修者コメント
就職・転職を考える際、平均年間給与の数字だけを見て会社の待遇を判断するのは早計です。ファナックのように、5年間で従業員数が大きく増加している企業では、若手層の採用拡大が平均値を押し下げている可能性があり、年次や役職ごとの実際の水準は別途確認する必要があります。
また、平均勤続年数15.3年という数字は、離職率の低さや働きやすさを示す一つの目安になります。本社機能を山梨県忍野村に集約し、技術者を中心とした組織を築いてきたファナックならではの特徴といえるでしょう。就職活動や転職活動では、こうした定量データに加えて、実際の職場環境や研修制度なども確認することをおすすめします。
投資家目線で見ると、平均年間給与が前事業年度比で減少した一方、従業員数は増加し続けている点は注目に値します。人件費全体としては拡大している可能性が高く、これは研究開発体制の強化や生産拠点の拡充に向けた人的資本投資と捉えることもできます。ファナックの株式に投資する場合は、こうした人員構成の変化が将来の収益力にどうつながるか、中長期的な視点で見極めることが重要です。
参考資料
マネー編集部年収班
