4. 【元銀行員の視点】マル優の届出は預け入れる前に済ませておきます

銀行の窓口にいた頃、マル優の届出を受け付けていました。この制度でつまずきやすいのは、手続きの順番です。

国税庁によると、マル優を利用するには、最初の預入等をする日までに「非課税貯蓄申告書」を金融機関を経由して税務署長に提出します。

そのうえで、預け入れのたびに「非課税貯蓄申込書」を原則として提出することになります。

窓口の実務でも、先に預けてしまってから非課税にしてほしいと言われても、遡って扱いを変えることはできませんでした。預け入れの日と届出の日、どちらが先かがそのまま結果を分けます。

手続きのときは、身体障害者手帳や年金証書の原本を見せてもらい、記載内容を書類に写していました。手帳や証書の住所が古いままで、その日のうちに終わらないこともありました。

預け入れのたびに書類が増えるため、定期預金を何本にも分けて組む場合は手間が積み上がります。預け方をあらかじめ決めておくと、来店の回数を抑えられます。

特別マル優を使う場合は、「特別非課税貯蓄申告書」と「特別非課税貯蓄申込書」が必要になります。名前が似ているので、どちらの制度の書類なのかを窓口で確認しておきましょう。

5. 【持ちものの確認】マル優の手続きで窓口に持っていくもの

申告書の提出には、確認書類の提示が伴います。

国税庁は、身体障害者手帳や年金証書および個人番号カード等、一定の確認書類を提示する必要があるとしています。

どの書類が必要になるかは、対象となる要件によって変わります。障害年金や遺族基礎年金を根拠にする場合は、年金証書が該当します。

窓口では原本を見せてもらう扱いでした。手帳や証書は、住所や氏名が最新のものになっているかを来店の前に見ておきましょう。

細かい取り扱いは金融機関ごとに違うことがあります。来店の前に電話で持ちものを聞いておくと確実です。

6. マル優の限度額350万円を超えたときの扱い

非課税の枠には上限があるため、超えた部分がどうなるのかも知っておきたいところです。

非課税になるのは、対象になる貯蓄の元本の合計額が350万円までの利子です。

複数の金融機関に分けて預けても、350万円という上限は合計で見ます。銀行ごとに350万円ずつ使えるわけではありません。

上限を超える部分の利子には、通常どおり20.315%の税金がかかります。

窓口で確認できるのは、その金融機関に預けられている分だけです。他の銀行の残高までは見えないため、350万円の枠は自分で管理することになります。

利息が元本に組み入れられる預け方をしている場合、いつのまにか上限に近づいていることもあります。残高は自分で見ておく必要があります。

また、住所や氏名が変わったときには、あらためて届出が必要になる場合があります。手続きの詳細は預け先の金融機関で確認してください。

7. まとめにかえて:マル優が使えるかどうかは金融機関の窓口で確認できます

障害者等のマル優と特別マル優は、対象になる人が限られた制度です。

そのぶん、使える人にとっては金利が上がった局面で効いてきます。元本350万円と額面350万円、あわせて700万円までの利子から税金が引かれなくなるためです。

一方で、申告書と申込書を提出する手間があり、限度額の管理も自分で行うことになります。使う前に、預け方の予定とあわせて見直しておくと判断しやすくなります。

ご自身の貯蓄額が世の中と比べてどのあたりにあるのかを知りたい方は、『【全世代(20~70歳代)比較】貯蓄額の平均・中央値はいくら?単身・二人以上世帯で比較すると見えた「お金がある人・ない人の差」 差が生まれる3つの要因を確認』もあわせて読んでみてください。

対象になるかどうかの判断は、年金の種類や手帳の等級によって変わることがあります。まずは取引のある金融機関の窓口、または税務署に確認してみましょう。

参考資料

中本 智恵