2. 年金はいつ・どう支払われる? 偶数月15日のしくみ。10月15日は次の年金支給日に
年金生活に入ると、「今月は年金が入る月だっただろうか」と、支払日を意識するようになります。年金がいつ・どのように振り込まれるのかを知っておくと、毎月の家計のやりくりがぐっと楽になります。
2.1 偶数月の15日に年6回、後払いで振り込まれる
公的年金は、2月・4月・6月・8月・10月・12月の偶数月の15日に、年6回に分けて支払われます。15日が土曜・日曜・祝日にあたるときは、その直前の平日に振り込まれます。
注意したいのは「後払い」だという点です。たとえば10月の支給では、8月分と9月分の2か月分がまとめて支払われます。毎月もらえるわけではないので、2か月分を1回で受け取り、次の支給まで計画的に使う意識が大切です。
また、年金額は「毎年度」改定されますが、4月分と5月分は6月に支給されますので、新たな改定額が受け取れるのは毎年6月ということも把握しておきましょう。
2.2 額面と手取りは違う—天引きされるもの
もう一つ知っておきたいのが、振り込まれるのは「手取り」だということです。年金からは、介護保険料や後期高齢者医療保険料、住民税などが天引き(特別徴収)される場合があります。
天引きの対象になるのは、年金が年18万円以上の人が目安です。同じ「年金額」でも、天引きされる保険料や税金によって、実際に使える手取りは変わってきます。振込通知書で、額面と手取りの両方を確かめておきましょう。
3. 元証券会社員からのアドバイス
70歳代・単身世帯の貯蓄は、平均1489万円・中央値500万円でした。年金という収入の柱と、この蓄えをどう組み合わせて使うかが、これからの暮らしの安心を左右します。年金と上手につきあうために、今日からできることを3つお伝えします。
一つ目は、年金が「2か月分の後払い」であることを前提に、家計を組むことです。支給月に2か月分をまとめて受け取り、各月へ計画的に振り分けると、月の途中で足りなくなりにくくなります。
二つ目は、振込通知書で「額面」と「手取り」を分けて確かめることです。天引きされる保険料や税金を差し引いた後の金額が、実際に使えるお金です。
三つ目は、手取りで足りない分を、貯蓄からどのペースで補うかを決めておくことです。1年にいくらまで取り崩すかの上限を決めておくと、蓄えが長持ちします。
証券会社でご相談を受けていたお客様は、その多くが60歳以上で、退職金の運用を控えた方々でした。運用の相談に来られても、お話をうかがうと、はじめは実は年金の入り方や手取りをよくつかめていないという方もいました。
ひとり暮らしでは、頼れる家計は自分の年金と蓄えだけです。だからこそ、年金がいつ・いくら手取りで入るのかを正確につかむことが、暮らしの安心の土台になります。
まずは次の支給日に、振込通知書で額面と手取りを確かめてみてください。そのうえで、貯蓄の取り崩しをどう重ねるかを考えれば、老後のお金の見通しは落ち着いてきます。
4. まとめにかえて
今回は、70歳代・単身世帯の平均貯蓄額(1489万円)と中央値(500万円)を確認しました。2000万円以上の人がいる一方、貯蓄のない人もおよそ5人に1人と、差の大きい年代です。
あわせて、年金支給のしくみもみてきました。年金は偶数月の15日に年6回、2か月分を後払いで受け取り、振り込まれるのは天引き後の手取りです。
今日からできることは3つです。まず、2か月分の後払いを前提に家計を振り分けること。次に、振込通知書で額面と手取りを分けて確かめること。
そして、貯蓄を1年にいくらまで取り崩すかの上限を決めておくこと。年金のしくみを味方につけて、ひとりの暮らしのお金を、この秋から整えていきましょう。
参考資料
- 金融経済教育推進機構(J-FLEC)「家計の金融行動に関する世論調査(2025年)」
- 日本年金機構「年金Q&A(年金はいつ支払われますか。)」
- 日本年金機構「年金Q&A(年金からの介護保険料などの徴収)」
宮野 茉莉子
