3. 30代・40代に多い「賞与がないと回らない」への不安。ファイナンシャルアドバイザー・筒井亮鳳が伝えたいこと

日頃のご相談では、毎月は赤字でも賞与で埋め合わせている、という家計を数多く拝見します。賞与が想定どおり出ているうちは問題が表に出ませんが、減った途端に立ち行かなくなります。

3.1 30代・40代に多いお悩み相談は「賞与前提の家計から抜け出せない」

ローンの賞与払いや年払いの税金など、年に数回の大きな支出を賞与で処理する形にしていると、月々の家計は常にぎりぎりのまま推移します。積立を続ける余力も、そこで削られていきます。次のような声を耳にします。

40代のお客様(ご相談者)
賞与が減ってしまい、毎月の積立を続けるのが厳しくなってきました。車のローンや税金の支払いが重なる時期は特に苦しくて、結局は賞与頼みの生活から抜け出せていません。

必要なのは我慢ではなく、月単位で回る形に組み替えることです。このご相談でも、何から調整するかを決めるところから始めました。

3.2 【ファイナンシャルアドバイザー・筒井亮鳳が回答】賞与に頼らず、月単位で回る仕組みに組み替える

筒井 亮鳳
「賞与が減ってしまい、積立を続けるのが厳しい」と諦める前に、賞与払いになっている支出を洗い出し、戻せるものから調整に手をつけ、月々に残る金額を先に決めて積立額を設計することが、賞与に左右されない家計づくりの出発点になります。昨今では物価上昇の影響により日々の生活費をこれ以上下げるということは難しいかもしれませんが、光熱費や通信費、保険料やサブスクなどの固定費の見直しについてしっかり考える必要があります。その中でも保険料については最近では国の公的保障も充実しており以前よりも入院日数の短縮や公的医療の拡大などに伴いやすくできる可能性がありますのでまずは見直しについて考えてみてはいかがでしょうか。

賞与に頼らず月次で回る家計にする3つの解決策

組み替えの順番を間違えると、後から元に戻せなくなるものがあります。ご相談のなかでは、次の三つの順序でお話しすることが多くあります。

3.3 ポイント1:賞与払いになっている支出を洗い出す

一つ目は、「賞与払いになっている支出を洗い出す」ことです。ローンの賞与加算、年払いの保険料、固定資産税など、月々の家計簿に表れない支出を並べる。それを12で割った金額が、本来毎月必要な額です。

3.4 ポイント2:戻せるものから調整に手をつける

二つ目は、「調整するなら戻せるものから手をつける」ことです。積立投資は停止しても後から再開でき、金額の変更も自由です。一方、保険は減額すると同じ条件には戻せないことがあります。順番を間違えないことが大切です。

3.5 ポイント3:月々に残る金額を先に決める

三つ目は、「月々に残る金額を先に決める」ことです。手取りから生活費と月割りにした年払い分を引き、残った範囲で積立額を設定する。賞与を計算に入れない設計にしておくと、賞与が減っても家計は崩れません。

なお、保険の減額や解約は健康状態によっては元の条件に戻せない場合があります。投資信託には元本割れの可能性があり、積立の停止や再開のタイミングによって運用成果は変わります。

4. まとめ|賞与頼みの家計から、月次で回る家計へ

公的年金は国民年金と厚生年金の「2階建て」構造で、厚生年金は報酬比例制のため現役時代の働き方が老後の受給額に直結します。月額15万円以上を受給する人は全体で49.8%、男性68.8%に対し女性は12.3%と、大きな男女差があることも確認しました。

今回の試算では、賞与払いの支出を月割りにすると毎月2万5000円の隠れた負担があり、賞与が2割減っただけで月換算2万円の不足が生まれるという結果でした。賞与を「あるもの」として組み込んだ家計は、賞与が減った瞬間に崩れます。

賞与払いになっている支出を洗い出し、月々に確実に残る金額を先に決める。この順序で家計を組み替えることが、賞与の変動にも老後の資産形成にも強い家計づくりの第一歩になります。

参考資料

筒井 亮鳳