年金生活者支援給付金の請求書(はがき型)は、2026年9月1日から順次送られています。令和8年度の給付基準額は前年度から3.2%引き上げられ、老齢年金生活者支援給付金は月「5620円」が基準になりました。
ただ、この5620円は保険料を480月納めた方の額です。実際には、これより多く受け取っている方もいます。
分かれ目になるのが保険料の免除期間です。「保険料を払えなかった時期がある」と気にしている方にとっては、意外な結果になるかもしれません。
この記事では、保険料の納め方によって年金生活者支援給付金がいくらになるのかを、厚生労働省の計算式にあてはめて確認します。
- 令和8年度の老齢年金生活者支援給付金は月5620円が基準で、これは保険料を480月納めた場合の額
- 保険料免除期間に基づく額は月1万1768円が基準で、納付済期間に基づく額の2倍を超える
- 未納の期間は年金にも給付金にも反映されないため、免除の手続きをしていたかどうかで差がつく
1. 令和8年度の年金生活者支援給付金は月5620円。ただし全員が同じ額ではない
年金生活者支援給付金は、年金に上乗せして支給される給付金です。老齢年金生活者支援給付金の額は、保険料をどう納めてきたかで一人ひとり変わります。
1.1 給付金は納付済期間分と免除期間分を足して決まる
厚生労働省の年金生活者支援給付金制度 特設サイトによると、老齢年金生活者支援給付金は次の2つを合計して計算されます。
1つめは保険料納付済期間に基づく額で、5620円に納付済期間の月数を掛け、480月で割ります。2つめは保険料免除期間に基づく額で、こちらは単価が変わります。
1.2 免除期間分の単価は納付済期間分の2倍を超える
保険料免除期間に基づく額は、全額免除・4分の3免除・半額免除の期間について月1万1768円が基準です。これは令和8年度の老齢基礎年金満額の6分の1にあたります。
4分の1免除の期間は満額の12分の1にあたる5884円です。納付済期間分の5620円と並べると、単価の差がはっきりします。
年金生活者支援給付金は期間の種類ごとに単価が決まっている1/2
出所:厚生労働省「年金生活者支援給付金制度 特設サイト」および日本年金機構の資料をもとにLIMO編集部作成
免除期間分の単価が高いのは、免除によって老齢基礎年金が減る分をある程度補う設計になっているためです。
2. 保険料の納め方で、年金生活者支援給付金はここまで変わる
単価の差が実際の金額にどう表れるのか、480月分の納め方を変えて並べてみます。以下は令和8年度、昭和31年4月2日以後に生まれた方の月額です。
2.1 老齢基礎年金が同じ額でも、給付金が4倍以上違うことがある
免除期間はすべて平成21年4月以降のものとして計算しています。老齢基礎年金の満額は月7万608円です。
保険料の納め方別に見た老齢基礎年金と年金生活者支援給付金の月額2/2
出所:厚生労働省および日本年金機構の資料をもとにLIMO編集部作成
注目したいのは下の2行です。全額免除480月の方と、納付240月かつ未納240月の方は、老齢基礎年金がどちらも月3万5304円で並びます。
ところが年金生活者支援給付金は「1万1768円」と「2810円」に分かれます。年額にすると10万7496円の差です。
2.2 未納と免除は扱いがまったく違う
未納の期間は、老齢基礎年金の額にも年金生活者支援給付金にも反映されません。同じ「保険料を納めていない」でも、手続きをして免除の承認を受けていたかどうかで結果が変わります。
厚生労働省の資料でも、納付480月の方は年金と給付金の合計が月7万6228円、納付240月かつ未納240月の方は月3万8114円と、試算例が示されています。
3. 年金生活者支援給付金が増えても、老齢基礎年金は減る
ここまで免除期間の単価の高さを見てきましたが、免除が得だという話ではありません。年金本体への影響もあわせて見ておく必要があります。
3.1 全額免除の期間は年金額に2分の1で反映される
日本年金機構によると、平成21年4月以降の全額免除の期間は、保険料を全額納付した場合の年金額の2分の1で計算されます。4分の3免除は8分の5、半額免除は8分の6、4分の1免除は8分の7です。
平成21年3月分までの期間は割合が異なり、全額免除は3分の1で計算されます。
3.2 合計で見ると、納めた期間が長いほうが多い
先ほどの表で合計欄をたどると、納付480月の方が月7万6228円で最も多く、免除期間が長くなるほど合計は下がります。給付金の増え方より、年金の減り方のほうが大きいためです。
免除期間分の単価が高いのは、あくまで減った年金を補うための仕組みだと考えておくとよいでしょう。
