5. 40年間払い続けた場合の老後年金額シミュレーション
22歳から62歳までの40年間(480ヶ月)、それぞれの等級ラインを維持して納め続けた場合の老齢年金(国民年金+厚生年金)の受給目安です(老齢基礎年金満額を令和8年度基準の年84万7300円、給付乗数を5.481/1000として試算)。
「3万円台」に最初に乗る第21等級(月給34万円・年収目安約400万円)の場合、老齢厚生年金は年約89.4万円で、老齢基礎年金と合わせた年金受給額の合計は月14.5万円(年約174.1万円)が目安です。一方、「4万円台」に最初に乗る第25等級(月給44万円・年収目安約530万円)では、老齢厚生年金が年約115.8万円となり、合計は月16.7万円(年約200.5万円)まで増えます。
毎月9150円(年間約11.0万円)多く保険料を納め続けると、将来受け取る年金は年間約26.4万円(月額約2.2万円)増える計算になります。厚生年金の増加は現在の手取りを減らしますが、納めた保険料に応じて将来受け取る年金額が確実に増える仕組みです。
給与明細の天引き額だけを見ると「引かれ損」のように感じてしまいがちですが、厚生年金は納めた分がそのまま将来の受給額に反映される仕組みです。特に4〜6月に残業が集中しやすい方は、その3カ月の平均で1年分(9月〜翌年8月)の標準報酬月額が決まる点を知っておくと、給与の見え方が変わってきます。目先の手取りだけでなく、老後の受給額という長期的な視点も持ちながら明細をチェックしてみてください。
6. 参考までに…シニア世代の平均年金月額は?
ここまでの試算がどのくらいの水準にあるのか、実際のシニア世代の平均年金月額と比べてみましょう。厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、令和6年度末現在の受給権者の平均年金月額は、厚生年金保険(基礎年金を含む)で15万289円、国民年金(基礎年金のみ)で5万9310円です。
本記事の「3万円台」スタートの試算(月14.5万円)は実際の厚生年金保険の平均月額(15万289円)にほぼ近い水準で、「4万円台」スタートの試算(月16.7万円)は平均を上回る水準です。現役時代にどの等級で働き続けたかによって、老後の受給額には実際にこれだけの幅が生まれることが分かります。
7. まとめ
厚生年金の天引き額は、月給が33万円台から42.5万円を超えるあたりで「3万円台」から「4万円台」へと段階的に上がっていきます。天引き額の大きさだけを見ると負担感が先に立ちますが、納めた保険料は将来の年金受給額に確実に反映される仕組みです。
給与明細を確認する際は、自分の標準報酬月額が早見表のどの等級にあたるのかをチェックしたうえで、目先の手取りと老後の受給額の両方を意識してみてください。
参考資料
- 日本年金機構「厚生年金保険料額表」
- 日本年金機構「厚生年金保険の保険料」
- 全国健康保険協会(協会けんぽ)「保険料額表」
- 日本年金機構「老齢年金の年金額の計算方法」
- 厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
和田 直子


