「国債」と一口に言っても、実は窓口で申し込める商品には「個人向け国債」と「新窓販国債」の2種類があります。

どちらも国が発行する安全性の高い商品ですが、仕組みや金利には意外な違いがあります。

とくにここ数年は市場金利の上昇を背景に、両方とも利率が大きく切り上がっています。この記事では、2つの国債の違いと2026年8月募集分の金利を比較しながら、金利上昇局面での選び方を整理していきます。

ココがポイント
  • 個人向け国債は個人限定・1万円から購入でき、1年経過後は国が額面で買い取るため元本割れしない
  • 新窓販国債は法人も購入可・5万円からで、金利はやや高いが中途売却時は時価のため元本割れの可能性がある
  • 個人向け国債「変動10年」は半年ごとに利率が見直され、1年間でほぼ2倍(0.97%→1.87%)に上昇するなど、市場金利の上昇にしっかり追随している

1. 個人向け国債と新窓販国債、何が違う?

どちらも財務省が発行する国債を、銀行や証券会社の窓口を通じて購入できる点は共通しています。ただし、購入できる人や金利の仕組み、中途換金のルールには明確な違いがあります。

1.1 購入できる人・購入単位の違い

個人向け国債は、その名の通り購入者が個人に限定されています。額面1万円から1万円単位で購入できるため、少額から始めやすいのが特徴です。

一方、新窓販国債は個人だけでなく法人やマンションの管理組合といった団体も購入できますが、最低購入額は5万円からで、5万円単位という違いがあります。

1.2 金利タイプの違い

個人向け国債には「変動10年」「固定5年」「固定3年」の3種類があり、変動10年だけは半年ごとに適用利率が見直されます。

これに対し新窓販国債は「10年固定」「5年固定」「2年固定」の3種類で、いずれも発行時に決まった利率が満期まで変わらない完全な固定金利です。

1.3 中途換金のルールの違い(ここが一番の違い)

個人向け国債は発行から1年が経過すればいつでも中途換金でき、直近2回分の利子(税引前)相当額に0.79685を掛けた額(=実質的な税引後の手取り1年分)が差し引かれるだけで、途中で換金しても元本割れしません。

一方、新窓販国債には国による買い取り制度がなく、満期前に現金化したい場合は市場で売却する形になります。売却時の市場価格は金利動向によって変動するため、購入時より市場金利が上がっている局面で売ると、元本割れする可能性があります。

個人向け国債と新窓販国債の主な違いを整理しています1/3

個人向け国債と新窓販国債の違い比較表

出所:財務省「個人向け国債と新窓販国債の商品性の比較」をもとにLIMO編集部作成

和田 直子

「新窓販国債の方が金利が高いのに、なぜ個人向け国債を選ぶ人がいるのか」

答えは中途換金のルールにあります。満期まで置いておくつもりでも、急にお金が必要になる可能性はゼロではありません。そのときに元本割れしない安心感があるかどうかは、金利差以上に重要な判断材料だと感じています。