2. 8月募集中の金利を比較する
2026年8月に募集している商品の金利を、実際の数字で比べてみましょう。
2.1 個人向け国債(8月募集分)
個人向け国債の8月募集分(募集期間:2026年8月6日~8月31日、発行日:9月15日)は、変動10年(第197回)が初回適用利率年1.87%、固定5年(第185回)が年2.06%、固定3年(第195回)が年1.71%となっています。
2.2 新窓販国債(8月募集分)
新窓販国債は10年固定(第383回、募集期間8月7日~8月27日)が表面利率年2.7%、5年固定(第187回、募集期間8月21日~8月31日)が年2.2%、2年固定(第487回、募集期間8月4日~8月27日)が年1.5%です。同じ年限で比べると、新窓販国債の方が個人向け国債よりやや高めの利率が設定されています。
出所:財務省「個人向け国債」「新窓販国債」の発行条件よりLIMO編集部作成
3. 金利上昇局面でこそ「変動10年」が選択肢になる理由
新窓販国債の方が利率は高めですが、今のような金利上昇局面では、個人向け国債の「変動10年」も見逃せない選択肢です。
3.1 半年ごとに市場金利を反映する仕組み
変動10年の適用利率は「基準金利(10年国債の実勢利回りをもとにした指標)×0.66」で決まり、半年ごとに見直されます。すでに保有している既発債も、新たに発行される国債と同じ計算方法で利率が更新されるため、市場金利が上がれば保有中の受取利子も増えていく仕組みです。
3.2 実例|1年で0.97%から1.87%まで上昇
実際の推移を見ると、1年前の2025年9月発行分(第185回)の初回適用利率は年0.97%でした。それが半年ごとの見直しを経て、2026年9月発行分(第197回)では年1.87%まで上昇しています。1年でほぼ倍になった計算で、市場の金利上昇の動きにしっかり追いついていることが分かります。
出所:財務省「個人向け国債」の発行条件(各回債)をもとにLIMO編集部作成
「固定金利の方が今の高い利率をそのまま確定できて有利では」と思う方も多いのですが、今後さらに金利が上がると見ている局面では、変動10年のように市場に追随するタイプにも合理性があります。逆に、これ以上の上昇が見込みにくいと考えるなら固定型で利率を確定させる、という考え方もできます。金利がどちらに動くかを断定はできませんが、両方の値動きを知っておくことが選択の助けになります。
4. どちらを選ぶべきか
まとまった資金を確実に据え置けて、多少利率が低くても元本割れのリスクを避けたいなら個人向け国債、少しでも高い利率を優先し、満期まで保有する前提で法人名義でも購入したいなら新窓販国債、という整理ができます。
金利上昇が今後も続くとみるなら個人向け国債の変動10年、利率を今のうちに固定したいなら固定型(個人向け国債の固定5年・固定3年、または新窓販国債)を選ぶという考え方も一つの目安になります。
5. まとめにかえて
個人向け国債と新窓販国債は、どちらも国が発行する安全性の高い商品ですが、購入対象者・購入単位・中途換金のルールに明確な違いがあります。
2026年8月時点では新窓販国債の方が利率はやや高いものの、個人向け国債の変動10年はこの1年でほぼ倍の利率に上昇するなど、市場金利にしっかり追随しています。
それぞれの特徴を踏まえたうえで、自分の資金の使い道や金利観に合わせて選んでみてください。
参考資料
- 財務省「現在募集中の個人向け国債・新窓販国債」
- 財務省「個人向け国債と新窓販国債の商品性の比較」
- 財務省「変動10年『第197回債』」
- 財務省「固定5年『第185回債』」
- 財務省「固定3年『第195回債』」
- 財務省「新窓販国債『10年固定』8月債」
- 財務省「新窓販国債『5年固定』8月債」
- 財務省「新窓販国債『2年固定』8月債」
和田 直子


