年金だけで暮らしていくと、旅行や趣味、孫へのプレゼントなど「使って楽しむお金」は後回しになりがちです。
そんなときに検討したいのが、株式投資からの配当金で暮らしにプラスαを作る方法です。
難しそうに聞こえますが、新NISAと東証に上場している投資信託(ETF)を使えば、初心者でも比較的シンプルに始められます。今回は、配当金で「手取り月3万円」を目指すための考え方と、具体的な始め方を見ていきましょう。
※株式投資には価格変動に伴う元本割れのリスクがあるほか、企業の業績等によっては配当金が減額(減配)・見送り(無配)となり、必ずしも予定通りの配当が得られるとは限りません。リスクや注意点をしっかりと理解したうえで、余剰資金の範囲で運用を進めることが重要です。
- 新NISAを使えば、配当金にかかる約20%の税金がゼロになる
- 米国の株式より、円でそのまま買える東証上場ETFの方が初心者には始めやすい
- 受け取った配当金は、無理に増やそうとせず「今の暮らし」に使うのが正解
1. 老後の年金【厚生年金・国民年金】ひと月どれくらい?
年金収入だけでゆとりある暮らしを過ごせるなら、リスクのある商品に投資しなくても良いのに…と考えるかもしれません。
しかし、個人差がありますが公的年金だけでは月々の生活費もカバーできない世帯は少なくないです。
参考までに、厚生労働省の統計資料からシニア世代の老齢年金の平均月額を確認します。
1.1 厚生年金(国民年金を含む)の平均月額
- 全体:15万289円
- 男性:16万9967円
- 女性:11万1413円
1.2 国民年金の平均月額
- 全体:5万9310円
- 男性:6万1595円
- 女性:5万7582円
細かく見ていくと、厚生年金(国民年金部分を含む)受給者の中には月額30万円を超える人もいる一方で、10万円未満や国民年金のみの平均額より少ない人もいます。
2. 「年金+月3万円」でシニアの暮らしはどう変わる?
2.1 年金の現実にプラスαの「使って楽しむお金」を
年金は生活の基盤を支えてくれるお金ですが、多くの場合、日々の生活費でほとんど使い切ってしまうという方も少なくありません。
そこにあと月3万円のゆとりが加わるだけで、月に一度の外食や、孫へのちょっとしたプレゼント、年に一度の旅行など、「使って楽しむお金」を確保しやすくなります。
年金という土台の上に、配当金という「もう一段のゆとり」を積み重ねる発想です。
2.2 なぜ「値上がり益」ではなく「配当金」なのか
株式で利益を得る方法には、株を売って得る「値上がり益」と、株を持ち続けたまま受け取る「配当金」の2種類があります。シニア世代の資産づくりでは、この配当金を軸にする考え方が向いているといえます。
値上がり益を狙う場合、いつ売るかという判断が必要になり、「せっかく増えた資産を、今売ってしまって良いのか」という迷いが生まれやすくなります。一方、配当金であれば株式を保有したままでも、企業の業績に応じて定期的にお金が入ってくるため、資産そのものを取り崩す不安を感じにくいという安心感があります。
2.3 初心者が守るべき鉄則:無理のない金額から
ここで大切な鉄則があります。退職金や貯蓄のすべてを一気に投資に回すのは避けましょう。まずは、病気や急な出費に備えるための「生活防衛資金」(一般的には生活費の3〜6か月分程度が目安とされます)を別に確保したうえで、それ以外の余剰資金の中から、無理のない金額で始めることが大切です。
株式は価格が変動する商品であり、投資した金額を下回ってしまう可能性(元本割れリスク)もゼロではありません。「減ってしまっても、生活には困らない」という範囲で取り組むことが、長く続けるための土台になります。


