総務省統計局が2026年9月20日に公表した「統計からみた我が国の高齢者」によると、65歳以上人口は3624万人となり、総人口に占める割合は29.6%と過去最高を更新しました。

高齢化が進むなかで、多くのご家庭にとって身近なテーマとなっているのが「介護」です。いざというときに慌てないためにも、介護の実態と、それを支えるお金の準備について知っておきたいところです。

今回は、最新の統計データをもとに、高齢者人口と介護の現状、そして60歳代・70歳代の貯蓄事情について、FPの視点で詳しく解説します。

1. 65歳以上人口は3624万人、総人口の29.6%で過去最高に!?世界でも最も高い水準

総務省統計局の「統計からみた我が国の高齢者-「敬老の日」にちなんで-」によると、2026年9月15日現在の65歳以上人口は3624万人でした。前年の3622万人から2万人増えています。総人口に占める割合は29.6%で、前年の29.4%から0.2ポイント上昇し、過去最高となりました。

男女別にみると、男性は1571万人(男性人口の26.3%)、女性は2054万人(女性人口の32.6%)です。女性が男性より483万人多くなっています。

年齢階級別では、75歳以上人口が2168万人(総人口の17.7%)で、前年から43万人増えました。一方、80歳以上人口は1288万人(同10.5%)で、前年から3万人減っています。

65歳以上人口及び割合の推移(1950年~2050年)1/3

65歳以上人口及び割合の推移(1950年~2050年)

出所:総務省「統計トピックスNo.149 統計からみた我が国の高齢者」

  • 1950年:411万人(総人口の4.9%)
  • 1985年:1247万人(同10.3%)
  • 2005年:2576万人(同20.2%)
  • 2026年:3624万人(同29.6%)
  • 2040年:3928万人(同34.8%)※推計
  • 2050年:3888万人(同37.1%)※推計

65歳以上人口の割合は、1950年の4.9%から一貫して上昇してきました。1985年に10%、2005年に20%を超え、現在は総人口のおよそ3割にあたります。

国立社会保障・人口問題研究所の推計では、この割合は今後も上昇を続ける見込みです。第2次ベビーブーム期(1971年~1974年)に生まれた世代が65歳以上となる2040年には34.8%、2050年には37.1%になると予想されています。

なお、人口4000万人以上の39か国で比べると、日本の65歳以上人口の割合(29.6%)は最も高く、イタリア(25.6%)、ドイツ(24.2%)が続きます。日本は世界でも高齢化が最も進んだ国のひとつといえるでしょう。

2. 要介護者等のいる世帯の3割超が「単独世帯」!?介護が必要となった原因トップ3とは

高齢化とともに、介護を取り巻く環境も大きく変わってきています。厚生労働省の「2025(令和7)年国民生活基礎調査の概況」をもとに、介護の現状をみていきましょう。

在宅の要介護者等(介護保険法で要支援・要介護と認定された人)がいる世帯を世帯構造別にみると、「核家族世帯」が40.2%で最も多く、「単独世帯」が33.2%と続きます。単独世帯の割合は上昇傾向にあり、一人暮らしのまま介護を受ける人が増えていることがうかがえます。

現在の要介護度別では、要支援者のいる世帯が35.9%、要介護者のいる世帯が62.6%です。

要介護者等を年齢別にみると、65歳以上が全体の約97%を占めています。年齢が上がるほど割合も高くなり、80~84歳で21.7%、85~89歳で25.2%、90歳以上では28.1%となっています。

では、介護が必要になった主な原因は何なのでしょうか。

介護が必要となった主な原因

介護が必要となった主な原因

出所:厚生労働省「2025(令和7)年国民生活基礎調査の概況」をもとにLIMO編集部作成

  • 1位:認知症 16.7%
  • 2位:高齢による衰弱 15.6%
  • 3位:骨折・転倒 14.6%
  • 4位:脳血管疾患(脳卒中) 12.5%
  • 5位:関節疾患 9.1%

上位3つの原因は、いずれも15%前後で大きな差はありません。ただし、要介護度によって傾向は異なります。要支援者では「高齢による衰弱」(17.7%)が最も多いのに対し、要介護者では「認知症」(23.6%)が最も多くなっています。さらに要介護5では、「脳血管疾患(脳卒中)」(27.6%)がトップです。

転倒による骨折や生活習慣病が原因となるケースも少なくありません。日ごろの健康づくりや住まいの安全対策が、将来の介護予防につながるといえそうです。

3. 「老老介護」は6割超、75歳以上同士も37.1%に!?要介護度が上がるほど増える家族の負担

次に、介護をする側の状況をみていきます。

要介護者等を主に介護している人(主な介護者)のうち、「同居」している人は46.1%でした。続柄の内訳は「配偶者」が22.5%、「子」が18.2%です。同居以外では「事業者」が16.0%、「別居の家族等」が13.4%となっています。

注目したいのは、要介護者等と同居の主な介護者の年齢の組み合わせです。

老老介護の割合の推移2/3

老老介護の割合の推移

出所:厚生労働省「2025(令和7)年国民生活基礎調査の概況」をもとにLIMO編集部作成

  • 60歳以上同士:79.0%(2001年は54.4%)
  • 65歳以上同士:61.9%(2001年は40.6%)
  • 75歳以上同士:37.1%(2001年は18.7%)

介護する人とされる人がともに65歳以上の、いわゆる「老老介護」の割合は61.9%です。前回の2022年(63.5%)からはわずかに下がったものの、2001年の40.6%と比べると大きく上昇しています。さらに、ともに75歳以上の割合は37.1%となり、調査のたびに上昇が続いています。

介護にかかる時間も、要介護度が重くなるほど長くなります。同居の主な介護者の介護時間をみると、要支援1から要介護2までは「必要なときに手をかす程度」が最も多くなっています。一方、要介護3以上では「ほとんど終日」が最も多く、要介護5では54.2%にのぼります。また、介護時間が「ほとんど終日」の人の続柄をみると、「配偶者」が64.6%を占めています。

高齢の配偶者が、ほぼ一日中介護を担っているご家庭も少なくないことが分かります。介護はご家族だけで抱え込まず、介護保険サービスや地域包括支援センター(高齢者の暮らしを地域で支える総合相談窓口)などを早めに活用することが大切です。