新NISAは、配当金や売買益にかかる税金がゼロになる制度として、多くの方が活用を始めています。
一方で、NISA口座を持つご本人が亡くなった場合、その口座がどうなるのかは意外と知られていません。
今回は、NISA口座の基本的なメリットを振り返りつつ、相続が発生したときにNISA口座がどう扱われるのか、そして見落としがちな「配当金の遡及課税」の落とし穴について解説します。
- NISA口座で保有していた株式等は、そのまま相続人のNISA口座に引き継ぐことはできない
- 相続人は、被相続人の証券会社に「非課税口座開設者死亡届出書」を遅滞なく提出する必要がある
- 死亡日から届出書提出までの間にNISA口座に入った配当金等は、非課税ではなく遡って課税される
1. NISA制度のメリット(おさらい)
NISA(少額投資非課税制度)は、証券会社や銀行などに開設したNISA口座を通じて上場株式や投資信託等に投資すると、本来20.315%かかる配当金や売買益への税金がゼロになる制度です。
2024年からの新NISAでは、「つみたて投資枠」(年間120万円)と「成長投資枠」(年間240万円)を合わせて年間最大360万円まで投資でき、非課税で保有できる上限額は生涯で1800万円です。
非課税で保有できる期間にも期限がなく、長期にわたって非課税のメリットを受けられる点が大きな特徴です。
2. 相続が発生したときはどうなるか
NISA口座を開設していた方が亡くなった場合、まず相続人は、被相続人が死亡したことを知った日以後、遅滞なく「非課税口座開設者死亡届出書」を、被相続人のNISA口座がある証券会社の営業所に提出する必要があります。
ここで注意したいのが、NISA口座で保有していた上場株式等は、相続人のNISA口座にそのまま引き継ぐことはできないという点です。
相続によって株式等を受け取る相続人は、特定口座か一般口座のいずれかにその株式等を受け入れることになります。この場合の取得日は相続が発生した日、取得価額は相続が発生した日の時価とされます。
特定口座で受け入れる場合は、被相続人のNISA口座がある証券会社と、相続人の特定口座がある証券会社が同一である必要があります。
また、相続により取得する上場株式等のうち同一銘柄はすべてその特定口座に移す必要があり、証券会社に「相続上場株式等移管依頼書」を提出しなければなりません。証券会社が異なる場合は、同じ証券会社に特定口座を新たに開設するなど、別途手続きが必要になることもあります。
成長投資枠で配当金や分配金の受取を選択している場合、死亡日~死亡届提出までの間に入金されるケースもあります。この場合の課税/非課税はどうなるのでしょうか。

